お魚探検隊

砂泥底の生き物

 皆さんこんにちは!お魚探検隊員の柿野です。ご存知の方もいるかもしれませんが、海響館の2階には「砂泥底の生き物水槽」があります。斜めにせり出した独特な形の水槽で、そこには「砂泥底」で暮らす生き物たちを展示しています。「砂泥底」とは、名前の通り海底が細かい砂地~泥地の場所で、サンゴ礁や岩礁、藻場などと違い、一見すると開けた砂泥ばかりの景色なので、生物たちは身を隠す場所がなく、やや殺風景にも感じる場所です。ただ、そこに生活する生き物たちは非常にユニークな特徴を持っていたり、変わった生活をしていたりする種類がたくさんいます。今回はそういった生き物たちの魅力をご紹介します。

 まずは、水槽を見てすぐに目に飛び込んでくる砂泥底に咲く花?のようにも見えるムラサキハナギンチャクです。紫と白のグラデーションと優雅にたなびく触手は非常に綺麗で、その触手を使い海中に漂うプランクトンなどを捕食しています。一緒に展示しているヒメハナギンチャクと共に、ハナギンチャク科に属する生き物です。皆さんがよくご存じのイソギンチャクの仲間は、岩などにくっつきながらゆっくり移動したりするのに対し、ハナギンチャクの仲間は砂泥地に体の粘膜で棲管(せいかん)と呼ばれる巣を作り、移動せずにずっとその中で暮らします。

 ハナギンチャクの仲間は同じ種類でも様々な色のバリエーションがあり、お気に入りのハナギンチャクを探してみるのも面白いかもしれません。

 次に紹介するのは、ドロイシガニというカニの仲間です。現在「砂泥底の生き物水槽」にはエンコウガニやヒシガニなど様々な種類のカニの仲間が展示されていますが、その中でも群を抜いて周りの環境に擬態している生き物だと感じます。見て下さいこの見た目!泥の色をした毛に全身が覆われており、名前のとおりもうほぼ泥にしか見えません。

 そして夜行性のため、日中はほとんど動かず泥に潜っており、暗くなってからモゾモゾと動き出します。運よく出てきているところを写真を撮っても生き物には見えず、インスタ萎え間違いなしです(笑)。

 最後にご紹介するのはカエルアンコウです。普通の魚と違ってあまり泳ぎ回らず、足のような胸鰭を使って歩くようにゆっくりと移動します。頭部には誘因突起(イリシウム)があり、その先端にはエスカと呼ばれる疑似餌が付いていて、それを釣竿のようにフリフリと動かし集まってきた小魚などを素早く丸のみにして食べてしまいます。その為、体の大きさの割にかなり大きい餌でも飲み込めるように口や胃が非常に大きくなっています。運よくエサやりの時間に遭遇した場合は、エスカの動きや食べっぷりを是非じっくり観察してみて下さい。

魚類展示課 柿野 敦志

2018年10月27日