お魚探検隊

身近なところで見つけた寄生虫

 皆さんは寄生虫に興味がありますか?私はこの夏、特別企画展「寄生して生きていく虫の話」の担当になったのを機に、寄生虫の本を読んだりして寄生虫に興味がわいてきました!興味がわくと、これまでは気が付いていなかった身近な寄生虫の存在が少し見えるようになってきました。

 今回は「身近なところで見つけた寄生虫」を紹介しようと思います。まず、スーパーで見つけた寄生虫からご紹介します。スーパーの魚売り場に並ぶキダイ(レンコ鯛とも呼ばれる)の口の中を覗いてみると、たまにタイノエの仲間が見つかることがあります。外から見るとタイノエは1匹だけのように見えますが、中には2匹いることがあります。1匹は小さいので手前の大きいタイノエを外してから探してみてください。2匹いれば、大きいほうがメスで小さいほうがオスです。魚の口の中で守られながら、2匹仲良く魚の体液をエサに暮らしているのです。「こんな寄生虫見たくない!!」と思うかもしれませんが、このタイノエはすべてそろえると何不自由なく暮らせるといわれる鯛の9つ道具の一つで、「鯛の福玉」とも呼ばれる縁起物でもあるんです。それでも、間違って食べてしまったら?と心配する人もいるかもしれませんが、江戸時代の古文書によると長州(今の山口県)では食用にしていたそうです。

 その他には、これからの季節に旬を迎えるサンマからも運が良いと海藻のヒジキのような寄生虫「サンマヒジキムシ」を見つけることができます。たいていはサンマが捕獲された後に取り除かれてしまうので私たちが見る機会は少ないのですが、まれに取り除かれなかったものがあります。ちょっと寄生虫に興味を持った私はついついそんなおまけ付きのサンマを買ってしまいます。こんな姿をしていますが、小型の甲殻類の仲間でヒトに寄生することはありません。

 次は冬の鍋の主役ズワイガニで見ることができる寄生虫です。写真はよく見るズワイガニのように見えますが、すでに寄生虫(卵)が見えています。どこにいるかというと、、、カニの甲羅に付いた黒い丸です。この黒い丸はカニビルという寄生虫の卵です。カニビルは普段は泥の中で生活し、魚に寄生して暮らしているそうで、カニに全く害はないそうです。

 泥の海底には、産卵に適した基質になる岩などが少なく、このようにカニの甲羅に卵を産み付けるようです。寄生虫の卵がついて嫌だ!と思う人もいるかもしれませんが、ヒトには全く問題ありません。むしろ、卵がたくさんついているほど脱皮してから日が経っている可能性があるため、身入りが良いと考え好む人もいるようです。しかし、実際はヒルのライフサイクルは早く、あまり身入りの目安にならないとも言われています。

 最後は、近くの小川で見つけた寄生虫です。小川で魚とりをしていると、体に何かついているメダカがいることに気が付きました。獲って観察するとイカリムシが体にくっついていました。さすがにメダカを食べることがないので、皆さんが寄生される心配をすることはないと思いますが、寄生されたメダカの泳ぎを見ると、なんだか水の抵抗が大きく泳ぎにくそうにしていました。メダカにとっては大問題かもしれません。

 このように、少し興味を持つと寄生虫が身近にいることが見えてきました。皆さんも身近な寄生虫を探してみてはいかがですか?? 10月28日まで特別企画展「寄生して生きていく虫の話~あなたのそばにいるかもね~」を開催しています!人に害のある寄生虫などの対策なども解説していますので是非見に来てください。

魚類展示課 久志本鉄平

2018年09月23日