あくあはーつ通信

vol.247 久しぶり

 夏バテ?か1か月ほど活動を休んでいた。今日はボランティア・ガッカイ(楽会)の日。開館以来、何百回、否、千回以上も見ていた水槽も久しぶりに観ると新鮮な感じがするから不思議なものだ。水槽内の「役者」の姿形やその振る舞いが変わるからだろうか。

 

 2階温暖水槽で偶然出会った「ハナミノカサゴ」のふしぎな遊泳:いつ見ても水底近くで長いヒレを展張しゆらりゆらりと気怠そうに漂っている。ところが今日は、そのヒレを全て折り畳み、高速で水槽の右端から左端まで、水平に同じところを繰り返し飽きずに往復している。別の魚の様だ。鋭く尖った毒のあるヒレを折りたたむと無防備になるが、何か急な事態でもあったのだろうか。平和な水槽内はその様には見えなかったが、「ハナミノカサゴ」の知らなかった一面を観ることができた。

 

 ほとんどの魚が一回り大きくなった感じだが、特に「スギ」や「ヒゲダイ」が大きくなったように感じるのは成長が早い種なのだろうか。

 マンボウの成長は約1mm/日らしいから、3cmほど成長しているはずだが、もともと大きいのでこの程度の成長ではあまり変化は感じられない。

 

 「スギ」が初めて展示された時の印象がよみがえって来た。開館後、数年経た頃だっただろうか、大きくて目立つので来館者の質問が多い魚の一つであった。成長が早いためか、養殖されて一時期、「クロカンパチ」ともいわれて美味いという話題もあった。又、小さいものはコバンザメそっくりで解説の定番になることが多かった。

 成魚は精悍な姿からだろうか、英名cobiaは先の戦争で活躍した米潜水艦の艦名にもなっている。大きくても、小さくても、食べても話題の多い「スギ」だ。

 

 初めて見た「ヒゲダイ」も当時の飼育担当から、「ヒゲソリダイ(イサキ科)」というのもいると聞いたとき、「ヒゲダイ」のヒゲが無いだけだろうと想像していたが、これが実はそれほど単純ではなかった。未だに識別ができない。というのも、「ヒゲダイ」と形態や体色が異なり、どちらかと言えば「コショウダイ」というイサキ科の仲間がこの「ヒゲソリダイ」とよく似ているのである。この胡椒と髭を見分けるのが難題なのである。

 今日の楽会でもその話題で困窮した。あ~だ、こ~だと図鑑やスマホで調べるが、暗い水槽で泳ぎまわる魚を外観から簡単に見分けられるほどはっきりした特徴がみあたらない。楽会でこれが「議論」されたのは2度目である。前回から少し進歩したのだろうか。

 

 河口水槽に、トゴットメバル、ウスメバル、アカメバルの3種が同じ水槽に展示されていた。このような展示は、比較するのに好都合で解説者として大助かりである。

 魚名版の寫眞と見比べて、あれがこれで、これがあれだと推定するも、写真は時々色や撮影時の環境が影響して見分けるのが難しいことがある。今回も特定するのにあ~だ、こ~だと続いたが、結論が出たかどうか定かではない?

 

 2階サンゴ礁水槽の底で見なれない小さくて涼しそうな魚を見つけた。体色は灰色っぽくて、背ビレのすぐ下の白線が印象的である。開館以来と言えば大げさだが、初めて見たような気がする。楽会に参加していたTさんに訊ねると、タマガシラの仲間ではないかとのヒント、それで気が付いた。

 

 ずいぶん昔、サンゴ水槽を眺めていた米国人女性が、私に、貴方のフェイバリット(お気に入り)な魚はどれかと尋ねられたので「フタスジタマガシラ」(イトヨリダイ科)だと答えたことを思い出した。当時「フタスジタマガシラ」が数匹この水槽で優雅に泳いでいたことがあった。 自分の好みの魚の質問を受けたのはこの1回のみである。

 

 早速そのタマガシラをKeyに図鑑でチエックすると、この見慣れない白線がある魚は「ハクセンタマガシラ(イトヨリダイ科)」だとわかった。せっかくだからマイ フェイバリットに追加することにした。

 

 4年前に始まった学会、否、楽会も今回で49回目となる。魚類、海獣など水族関連は勿論、時には旅行、病気や介護の話題も出てくる名前の通りの会である。

解説ボランティア:唐櫃 山人

2018年09月27日