お魚探検隊

春の日本海は小さな愉快な生き物たちがいっぱい!!

 春の日本海はホンダワラ類(海藻)やワカメなどが大きく成長し、そんな藻場の間を魚の稚魚などがたくさん見られにぎやかな景色となります。こういった景色も春らしくて好きですが、春の海では時々アッと驚くような生き物に出会えることがあります。どんな生き物かというと、、、普段は沖合や少し深い海などで暮らす生き物です。
出会った生き物を少し紹介します!ゴカイといえば海底の砂の中にいるイメージがありますが、春の日本海で出会ったゴカイ(ウキゴカイ)は透明で海中に浮かんでいました。透明でなければ、すぐ魚に食べられてしまいますが、透明だから外敵に食べられることも少ないんでしょうね。

 その他に、他の生き物を家?巣?にしてしまう生きものにも出会えました。それはタルマワシの仲間です。タルマワシは樽型のプランクトンであるサルパの仲間を食べるといわれています。サルパの内部を食べた後、外側の樽状の部分が残るのですが、タルマワシのメスはその体に入り込み、さらにこの樽を利用します。その姿は乗り物に乗っているようにも見えます。この樽をどのように利用するかというと、卵を産み付け幼生を育てるのにも使います。サルパにとってはたまったものではありませんが、なんとも面白い暮らしです。

 

 続いては、流氷の下など寒い海で見られ海の中をパタパタと泳ぐ貝として有名なクリオネ(ハダカカメガイ)に似た生き物にも出会えました!今回出会えたのは、巨大なクリオネといった感じのヤサガタハダカカメガイとクリイロカメガイです!いかがですか?クリオネに似ていると思いませんか?ちなみに、この2種類は同じような時に見ることがあります。その理由は、ヤサガタハダカカメガイがクリイロカメガイをエサとしているからです。どちらかを見つけたときは、周りを注意深く探すことをお勧めします!

 次はまるでガラス細工!?と思ってしまうような魚に出会えました。こんな魚見たことないと思うかもしれませんが、実はこの魚は誰でも知っている魚です。この魚はアンコウ(キアンコウ)の稚魚です。アンコウだと思って顔の辺りをじっくり見ると口の大きさや頭の上の突起など確かにアンコウらしい特徴があります。

 アンコウといえば海底で暮らし、なかなか外敵もいないようなイメージですが、小さな稚魚期はこのように浮遊生活をしているのです。海底とは違い、身を隠す場所がない環境では透明な体で身を隠し、さらにヒレを大きくすることで捕食されにくくし、生き抜くための体になっているんでしょうね。

 最後に今までに一度しか出会ったことがない魚について紹介しましょう。体長は10cm程度で体は細長く、さらに体と同じくらいの長さの細長い背びれ、さらにお腹を見ると、胃袋が外に飛び出しているという何とも不思議な姿形をした魚です。なぜこのような形なのかは分かりませんが、やはりアンコウなどと同じように、本来生息する沖合の海の中で身を守るため、少しでも体を大きく見せるためヒレを長く、体を長く、そして胃袋まで体の外に出し体を大きく見せているのだと思います。

 この特徴的な魚がいったいどんな魚なのかすぐには分からず、ダイビング仲間に聞いたり調べたりすると、ソコカクレウオの稚魚ではないか?ということが分かりました。こんな見たこともない生き物に会えて春の日本海は魅力がいっぱいです。さあ、次はどんな生きものに会えるでしょうか~!!

魚類展示課 久志本鉄平

2018年05月13日