お魚探検隊

国内初確認!?

 皆さんはスジエビというエビはご存じでしょうか。「川エビ」や釣りをする方なら「シラサエビ」という名前の方がピンとくるかもしれません。大きいと体長50mmほどになる透明な体に黒い線状の模様がある淡水に棲むエビです。

 日本全国の川や湖池に広く分布していて、実際苦労せずに採ることができる淡水のエビです。そのため、私にとっては特別気に留めることもなかったエビでした。しかし、ある日採れたスジエビをきっかけにとても興味深いエビに変わってしまったのです。

 そのスジエビがこちら!じゃじゃんっ!!

 

 そうです。一目でお分かりいただけると思いますが、通常黒い線が赤いのです。採れた瞬間に「あ、赤いエビがいる!淡水でこんなに赤くてきれいなエビ、なんだろう?」と思ったほど、これがスジエビと認識できなかったくらいです。

 スジエビを茹でたら赤くなりますが、その場合は透明な部分もピンク色になってしまいますし、もちろん死んでしまいます。この赤いスジエビ、体は透明で、黒い線状の部分が赤いのです。背景が黒い場所で見ると、より一層の透明感です。

 

 今回、採集できた赤いスジエビは5個体で、私の感覚的には採集したスジエビの5%ほどが赤いスジエビでした。そのうち1個体を海響館に持ち帰り飼育していましたが、残念ながら1ヵ月ほどで死亡してしまいました。ただ、その間に体色は変わらなかったため、一時的な体色の変化ではないようです。

 日本最大の湖、琵琶湖では年間100t以上(2000年頃)のスジエビを漁獲していたそうです。遺伝子の異常で体色が変異してしまうことは稀にありますが、漁獲や生物調査、川遊びでたくさんの人がスジエビを採っているにもかかわらず、体色変異個体の存在を聞いたことがありません。某検索サイトで検索しても赤いスジエビに関する記事は一切出てきません(赤茶色のスジエビは知られていますし、私も採集したことがあります)。これはもしかして国内初確認なのでしょうか。正確に計数していませんが、5%ほどと比較的高頻度で採集できるため、この場所でなぜ赤いスジエビが採れるのか、大変興味深いことです。

 赤くなった理由についてはこれからの調査・研究によるところですが、このような思いがけない出来事が起こるので、野外採集はやっぱり面白い!

海獣展示課 森本大介

2017年08月17日