お魚探検隊

人気者だけど謎が沢山!マンボウ

 皆さんこんにちは、お魚探検隊員の柿野です。私は普段海響館では主にマンボウの飼育と展示を担当しています(もちろん、その他の生き物も担当しています)。マンボウというと、その独特の見た目から人気のある魚なのですが、実はまだまだ謎に包まれた部分が沢山ある不思議な魚なのです。今回はマンボウについて最新の研究で分かってきたことなどを紹介していこうと思います。

 

 マンボウは世界中の熱帯や温帯域の海にすんでおり、日本各地の沿岸でも見られます。海響館のあるここ山口県でも、冬の時期になると日本海側の定置網などで時々漁獲されます。全長は2.7mほどにまで成長し、体重は1tを超えると言われています。

 他の魚と異なる大きな特徴は、「尾ビレが無く舵ビレというヒレがある」「鰾(うきぶくろ)がない」「フグの仲間の特徴として腹ビレが無く、背ビレと臀ビレを使って遊泳する」などが挙げられます。サメやエイの仲間なども鰾が無く、肝臓に脂肪をためて浮力を得ている魚はいますが、マンボウは肝臓だけでなく、表皮と筋肉の間にあるコリコリとした層が非常に分厚くなっており、浮力に大きく関わっているようです。

 自然界で暮らすマンボウの成魚は、海の表層から800mを超える深海までを行き来しており、深海にいるクラゲの仲間などを主にエサにしていることが分かっています。また、クラゲ以外にも小魚、甲殻類、軟体動物なども食べているようです。ちなみに海響館ではエビやイカをミンチ状にした団子を与えています。

 

 最近ニュースにもなり、ご存知の方もいるかもしれませんが、「カクレマンボウ」という新種のマンボウの仲間が報告され、世界にはマンボウ科に3属5種のマンボウの仲間がいることが分かりました。残念ながらカクレマンボウは日本近海では確認されていませんが、その他の4種のマンボウの仲間は日本近海でも確認されています。

 その4種とは、現在海響館でも展示しており最も一般的に知られる「マンボウ」、舵ビレの先が槍のように尖った「ヤリマンボウ」、牛の様に頭が大きく全長3mを超える最大種でもある「ウシマンボウ」、そして体が細長く、他のマンボウの仲間より一際小さい「クサビフグ」です。

 マンボウの仲間は飼育の難しい魚として知られています。世間に広まっている噂として、「寄生虫を落とすためにジャンプして着水した衝撃で死ぬ」などありますが、この噂はどうやら嘘のようで、実際に飼育してみて感じるのは、そんなに弱い魚ではないという事です。

 ですが、体が大きくなる為、漁船の網にかかってから水槽に入れるまでに弱ってしまうことがあり、状態よく運搬することが一番大変だと感じています。海響館では飼育日数が4年を超える個体もいましたが、壁にぶつかったりしても、それが原因ですぐに死ぬようなことはありませんでした。

 マンボウ以外にヤリマンボウの飼育にもチャレンジしましたが、現在のところ最長でも2週間しか飼育できず、こちらは飼育の難しさを非常に感じさせられました。ただ、飼育することで少しずつ分かってきた事もありますので、いつかヤリマンボウを展示し、ウシマンボウやクサビフグの飼育にもチャレンジできればいいなと思っています。

 

 まだまだマンボウにはわかっていないことも沢山ありますが、その分魅力も沢山あります。皆さん良かったら海響館で是非ゆっくり観察してみて下さい。

魚類展示課 柿野敦志

2017年12月13日