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第96回 タコと多幸をもとめて 〜タコ神様編〜


 今回のお魚探検隊はズバリ「タコについて」です。平成17年の冬季企画展「まるごと!タコ大図鑑」の担当だった私はタコにちなんだいろんな資料を集めていました。そこで感じたのが、タコの昔話や伝説が多いことです。欧米ではきもちの悪いその形から「悪魔のつかい」の代表格ですが、日本では意外や意外「神様仏様」にあがめられているのです。不思議に思った私はなぜそのような差(悪魔と神様仏様)ができてしまったのか、自分なりの考えをまとめてみました。

 ■欧米の場合
 欧米の国ではタコを食べる文化が無い国があります。なぜ食べないかははっきりしませんが、やはり気持ちの悪いその形からでしょう。また吸い付く吸盤があまり良い印象を与えていないようです。食べる文化が無い地域はタコを表す言葉すらないそうです。ひどい場合はタコとイカの区別もせずに、同じものとして扱っている地域もあります。獲れても食べないので特に名前をつける必要がなかったようです。日本では考えられませんね。


 ■日本の場合
 日本では弥生時代からタコを獲っていたことがわかっています。弥生時代の遺跡からタコを獲る「タコ壺」が見つかっているのです。かなり昔からタコを生活の糧として獲っているので、タコを嫌うはずはありませんよね。昔からタコが多くとれた場所では、神様仏様として祭られている地域もあります。タコ神様やタコ薬師、タコ地蔵なるものまであります。
 山口県では下松市笠戸大島でタコ神様が祭られています。かなり気になった私は実際にタコ神様に会いに行くことにしました。


タコ神様を訪ねて
 〜神様までの道のりは長い!〜

 下松市笠戸大島にあるのはわかっていたのですが、島といってもとても大きいです。正確な場所まではわからなかったのですが、行ったら行ったでなんとかなるだろうと安易な考えで探しに行ってしまいました。笠戸大島についた私は、とりあえず、タコ神様の案内看板を探してみました。が、いっこうに見つかりません。とりあえず給油がてら、ガソリンスタンドの店員さんに尋ねてみました。返ってきたのは「聞いたことがない」や「なんですかそれ」みたいな返事でした。困った私は公民館で聞いてみることにしました。さすが公民館。だいたいの場所を教えていただくことができました。
 ようやくタコ神様が祭られている山の入口までくることができました。あと少しで神様に会える!と思いながら、山道を進んでいくと、ものの10メートルで道は消えていたのです。折しも台風シーズン、木が倒れていたのです。それでも諦めず、道なき道を歩くこと30分、ようやく山の頂上に着きました。山頂は人の背丈以上の草で被われており、神様の祭られた塚がまったく見あたりません。見つかりそうにないと誰もが諦めかけたその時、目線の先になにやら塚らしい石を見つけることができました。タコ神様は小さな石柱に祭られており、ひっそりとたたずんでいました。しっかり企画展の成功を祈ったのは言うまでもありません。後から聞いた話によると、このタコ神様は風邪やぜんそくに良く効くそうで、昔は地域の方がお参りに行ったそうです。なぜ風邪やぜんそくに効くかというと、お参りに行くのには山登りをしなくてはいけません。毎日毎日お参りに行くと…もうわかりますよね!体が丈夫になるのです。風邪もひかず、ぜんそくにもならないというわけです。
 タコがたくさん獲れる地域でタコが神様となり、いろんな御利益がある。うまくできていますね!神様になってしまえば嫌われるはずはありません。
 今回はタコの企画展だったのでタコ神様を探しに行きましたが、また機会があれば他の神様にも是非会いにいってみたいと思いました。みなさんも海の生き物の神様仏様を探してみてはいかがでしょうか?


山の入り口険しい山道道がなくなっていますタコ神様発見タコ神様の由来無事成功しますように

魚類展示課 落合 晋作

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