海響館のすぐ目の前にある関門海峡は潮の流れが早く、また日本で最も船の往来が多い場所として知られています。その関門海峡に2005年6月アカウミガメがやってきました。
6月24日に市民の方からウミガメの足跡?が長府関見台公園下の砂浜にあると連絡を受けました。さっそく確認に向うと砂浜にはキャタピラの通ったような跡がありました。まさしくこれはウミガメの足跡!!
何のために砂浜に来たのでしょうか?
アカウミガメは本州で唯一産卵するウミガメで、5〜8月にかけて砂浜で卵を産みます。そこでこの足跡をたどって行くと、3ケ所で砂を掘り返した跡がありました。どうやらウミガメのお母さんが卵を産もうとして砂を掘ったものの卵は産まなかったようです。次の日の朝(25日)に同じ砂浜に行ってみると、またキャタピラのような足跡と砂浜の一番高くなった場所に砂を埋め戻したような跡がありました。ウミガメは卵を産むとその場所を隠そうと砂をかけるため独特の跡が残ります。今度は期待ができそうです。確認のため砂を掘ってみると約30cmの深さからちょうどピンポン球くらいの白い卵を確認しました。無事、関門海峡で卵を産む事ができたようです。アカウミガメが大海原に旅立つまでの約2ヶ月、この間に私たちにできる事は暖かく見守ることくらい・・・気長に見守ろうと、市関係者、地元の方々の協力を得て、卵を産んだ場所をとり囲んで柵を作りました。
8月9日(産卵から45日目)産卵巣の砂がすり鉢状に凹みだしました(ふ化することで卵と卵の間にあったすき間に砂が落ち込んで起きる現象)。日に日にすり鉢状の凹みは大きくなっていきます。8月15日には産卵巣の凹みの深さが約15cmに!子ガメ達が海に旅立つ日も近いようです。8月23日(産卵から59日目)待ちに待った子ガメの脱出が始まりました。1匹、2匹と海に向い大きさ約5cmの子ガメが砂浜を歩いて行きます。約10mの砂浜を歩ききり、波に乗って、さらわれて?泳いで行きます。その姿が見えなくなるまで地元の方々みんな目をこらしながら子ガメの姿を追っていました。朝になり砂浜を見ると小さいながら立派なキャタピラのような足跡がありました。
連日地元の方々が集まり夜遅くまで子ガメを見守る・・・このような光景が9月2日(脱出開始から11日目)まで続きました。
9月4日ウミガメがどれだけの卵を産みどれだけの子ガメが海に旅立ったかを調べる為の調査をしました。小雨が降るなか調査には今まで見守ってきた多くの地元の方が集まりました。少しずつ産卵巣の砂をかき出していき卵の殻や孵化できなかった卵の数を数えました。その結果129個の卵を産んだことが分かり、また42匹の子ガメが海に旅立ったことが分かりました。
小ガメたちは黒潮に乗り、そのまま北太平洋海流に乗ってハワイや遠くはメキシコまで運ばれ成長し日本に帰ってくると考えられています。また何十年後かに日本の海に帰ってくることいいですね。
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