場所は有明海。日本で唯一クラゲ漁が行われているところです。クラゲ漁といわれてもピンとこないかもしれませんが、その名のとおり中華料理などの食材になるクラゲを捕るための漁なんです。狙うはビゼンクラゲ。食用クラゲの中では高級な部類に入るクラゲで、大きくなると傘の直径が1m近くにもなります。
朝4時に出港。あたりはまだ真っ暗です。船のライトだけをたよりに有明海沖へと船を走らせます。途中で夜中にクラゲ漁をしていた船に出会いました。今日も大漁のようです。他の船の様子を見ながら漁をするポイント、時間を決めます。午前6時半。いよいよ網入れです。いかり、おもりのついた少し目のあらい網を海に沈めていきます。潮の干満の差を利用してクラゲを捕るため、潮の流れに垂直に網を入れます。網入れ後、待つこと1時間。ついに網上げ開始です。待ち時間はその日の天候、潮の流れ、他の船のクラゲのかかり具合によって決めるそうです。船上のローラーで徐々に網を上げていくと、あっ、いましたいました。とてもたくさんの白と赤茶色をしたクラゲが上がってきました。船の近くまで上がってきたら、大きなたも網で船上に上げます。これが非常に重く、20kg近くあるため一人で上げるには一苦労です。食用になるクラゲは捕獲後加工するので死んでいても良いため、たも網ですくい上げますが、水族館で展示するためには生きたまま運んで帰らなければならないため、傷つかないように海水と一緒にポリバケツなどですくい上げなければなりません。そのためさらに重たくなります。今回は乗船させていただいた漁師さんのご好意で、2人がかりですくい上げ、船のカンコに入れさせていただきました。カンコにいる間も、新しい海水を注いだりクラゲが出す粘液を取り除いたりして、クラゲが弱らないように気を配りました。
網を上げ終わると帰港。60〜70個体のビゼンクラゲがとれました。そのうち生きたまま捕獲した3個体を水族館のトラックの荷台のタンクに入れていざ出発。途中で海水の温度が上がってクラゲが弱ってしまうトラブルもありましたが、何とか無事に水族館に到着。急いで新鮮な海水を注ぐと元気に泳ぎだしてくれたのでホッと一安心。水槽へも3人がかりで運び入れ、今でも元気に泳いでいます。
やっとの思いで展示することができたビゼンクラゲ。みなさんぜひ一度見にきて下さいね。
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