[最新一覧へ]

第86回 2004年 山口県日本海西部沿岸フグ 

 下関から長門沿岸にかけての海岸をここでは山口県の日本海西部沿岸とし、2004年1月〜12月までに出現を確認したフグ目魚類を紹介します。

 2004年には6科16属29種を確認しました。モンガラカワハギ科1種、カワハギ科7種、ハコフグ科1種、フグ科15種、ハリセンボン科2種、マンボウ科2種となりました。確認できた種は以下の通りです。
モンガラカワハギ科1種 アミモンガラ
カワハギ科7種 ウスバハギ・ソウシハギ・アミメハギ・ウマヅラハギ・ヒゲハギ・カワハギ・ヨソギ
ハコフグ科1種 ハコフグ
フグ科15種 ヨリトフグ・ヒガンフグ・ショウサイフグ・ナシフグ・マフグ・コモンフグ・シマフグ・ゴマフグ・クサフグ・トラフグ・トラフグ属の一種・シッポウフグ・ホシフグ・モヨウフグ・センニンフグ・シロサバフグ
ハリセンボン科2種 ハリセンボン・ネズミフグ
マンボウ科2種 マンボウ・ヤリマンボウ

 この中でも2004年の特徴的な種といえば・・・
ヒゲハギ(カワハギ科ヒゲハギ属)Chaetodermis penicilligera
 2004年9月19日、11月28日いずれも響灘の室津定置網にて全長10〜20cm程度の個体が漁獲されました。2001年以降初めての記録です。 ヒゲハギ
シッポウフグ(フグ科シッポウフグ属)Torquigener brevipinnis
 2004年9月23日響灘の室津定置網にて全長9cmの個体が漁獲されました。山口県下では、初めての記録と思われます。 シッポウフグ
ホシフグ(フグ科モヨウフグ属)Arothron firmamentum
 例年数個体は確認している種ですが、2004年1月には響灘、日本海の定置網で10個体以上の入網を確認しました。7月には響灘の延縄においても漁獲されました。 ホシフグ
モヨウフグ(フグ科モヨウフグ属)Arothron stellatus
 2004年12月17日、日本海に面する通定置網にて全長40cmの個体が漁獲されました。2000年11月20日にも同じ定置網にて漁獲されたことがあります。
ネズミフグ(ハリセンボン科ハリセンボン属)Diodon hystrix
 2004年9月3日下関西沖に位置する蓋井島水深80mより延縄にて全長35cmの個体が漁獲されました。「大きなハリセンボンが捕れた」と聞き、伺ってみると60cm水槽に方向転換もできず“でん”と居座っていました。 ネズミフグ
トラフグ属の一種 交雑種(フグ科トラフグ属) Takifugu sp.
2004年12月25日蓋井島水深20mより延縄にて全長20cmの個体が漁獲されました。トラフグ?マフグ?シマフグ?いずれにも該当しません。トラフグ属魚類は核型が類似しているため天然交雑種が出現しやすい傾向にあることが知られています。1個体で2種類以上の想像をかきたてるというと持ち上げ過ぎでしょうか。1階無料ゾーンにて展示中です。
交雑フグ

 ヒゲハギ、モヨウフグ、ネズミフグは南日本に多く分布する種です。山口県より南の海より海流に乗り、流れ着いたのかもしれませんね。
 シッポウフグ、ホシフグ、モヨウフグは食用禁止のフグです。普段見かけない種類のフグには気を付けて下さい。交雑種についてもどのような毒性を持つのか不明のため食するべきではありません。他にも食用禁止のフグとして、キタマクラ、クマサカフグ、ドクサバフグなどがあります。2005年にはひっこり姿を現すことがあるかもしれません。これからも、フグにまつわるあらゆる情報をお待ちしております。

※関連記事として、お魚探検隊No.31に2001年、No.48に2002年、No.60に2003年の確認種を掲載しています。

魚類展示課 土井啓行

[最新一覧へ]