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第83回 源平合戦にちなんだ生きものたち〜義経な生きもの〜


 2005年1月9日より、NHK大河ドラマ「義経」が始まりました。主人公・義経役の滝沢秀明さんをはじめとする豪華キャストもさることながら、宮尾登美子氏の大作「平家物語」を原作として、「源平合戦という戦乱の世を生きる悲劇のヒーロー義経の生涯」をどう描くのか、という点もみどころのドラマですよね。
 ここ関門海峡は、そんな源平合戦の最終戦「壇ノ浦の戦い」の舞台となりました。そこで当館では、平成16年12月11日(日)から平成17年4月17日(日)まで、2階特別展示水槽にて「源平合戦にちなんだ生きものたち」展を開催しています。源平合戦という歴史的な戦いと海の中の生きもの、何のつながりもないように感じますが、海の生きものの中にも、源平合戦に登場する武将や源平合戦にまつわる伝説など、歴史的な合戦にちなんだ名前を持つ生きものがいるんです。ちょっと紹介しますね。

 ベンケイガニ
十脚目イワガニ科 Sesarmops intermedium
海から河川沿いに生息し、水田などでも見ることができます。赤色を帯びた正方形に近い甲が特徴的です。背中の甲の模様が源義経の家来、武蔵坊弁慶の厳つい顔のようにみえることから「ベンケイ(弁慶)ガニ」と名付けられました。


ベンケイガニ


 ヘイケガニ(愛称:へーちゃん)
十脚目ヘイケガニ科 Heikea japonica
背中の甲は目が釣り上がった人の顔のようにみえます。この模様が源平合戦に敗れた平家の武士達の恨みの形相のようなので「ヘイケ(平家)ガニ」と呼ばれています。でも本人は背中の模様が恥ずかしいのか、短く特化した後2対の脚で貝殻などをいつも背負って背中の模様が見えないようにして歩いていますよ。


ヘイケガニ

 アツモリウオ(愛称:よろい)
カサゴ目トクビレ科 Hypsagonus proboscidalis
体は鎧のような硬い甲板で覆われており、華やかな赤い体色をしています。源平合戦の一の谷の戦いでこのような赤い鎧をまとっていた平家の若武者、平敦盛(たいらのあつもり)に見立てて名付けられました。背びれが大きく、平家一門が赤い旗を立てているようにも見えますよね。

アツモリウオ

 クマガイウオ(愛称:テディ)
カサゴ目トクビレ科 Hypsagonus jordani
体形はアツモリウオに似て鎧をまとっているような体をしていますが、体側に黒い線が入るのが特徴です。アツモリウオに対して一の谷の戦いで平敦盛と戦った源氏の武将、熊谷次郎直実(くまがいじろうなおざね)からこの名前がつきました。
体は黒っぽく、平家と比べて質実で地味な源氏のイメージと重なりあいます。背びれは白く、源氏の旗を彷彿とさせますね。

クマガイウオ

コベケ(愛称:コベッキー)
スズキ目タイ科 Pagrus major
体長10cmの美しいマダイの幼魚は「こべけ(小平家)」と呼ばれています。これは源平合戦の時、海に身を投げた平家の官女が美しいマダイに生まれ変わったという悲しい伝説にちなんでつけられた名前です。

コベケ

魚類展示課 石橋將行

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