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第80回 幻の淡水フグ テトラオドンバイレイ


 「フグ」といえば海響館!・・・そんな海響館のスタッフでさえ見たことのないフグがいます。その1つが「テトラオドンバイレイ」なのです。フグの仲間は世界中に約350種類いますが、そのうち淡水フグは約30種類です。その中で「幻のフグ」と呼ばれていた「テトラオドンバイレイ」を入手することができ、3階の淡水フグの世界にて展示を開始しました。
テトラオドンバイレイ
テトラオドンバイレイ
 テトラオドンバイレイはタイ・ラオスのメコン川流域に生息する淡水フグで、体中にあるひげのような柔らかい突起(皮弁)が特徴です。皮弁をもつ魚としては、アンコウやイザリウオ、カサゴの仲間などがいますが、フグの仲間では暖かい海にすむカワハギ科のヒゲハギ、ハリセンボン科のブリドレッドバールフィッシュなどがいます。これらは見事な皮弁をもち、ゆらゆらとをゆらして泳いでいます。
ヒゲハギ
ヒゲハギ

ブリトレットバールフィッシュ
ブリトレッドバールフィッシュ

 バイレイは今まで写真資料しかなく、生きた個体を見ることはありませんでした。私たちも写真では見たことがあるものの、実際に生息するのかな?と半信半疑でした。そんなとき、ある出版社が取材でラオスに行き、バイレイを日本に持ち帰ったという話を聞きました。もしかしてこれはチャンスかも!!とかすかな期待をしていました。・・・すると、なんと入手することができたのです!待ちに待った念願の「バイレイ」は一体どんな形態をしているのだろう、と思いを膨らませ、届いた箱をあけてみると・・、・・・・?・・・・・??突起?

皮弁
皮弁

 届いた個体はまだ4cmほどの大きさで、突起(皮弁)も短く、「ほんとにバイレイ?」といったような感じでした。しかし、短くてもしっかりひげのような皮弁は体にあります。少し尖った口先をもち、つぶらな瞳でこちらをうかがっていました。大切に水槽に移し、隠れ家になるように土管や流木をおき、落ち着いてくれるのを待ちました。そして次の日、初めて餌をあげるときがきました。食べるか不安でしたが、細かく切ったエビをピンセットで顔の近くまで持っていったその時です・・・ガツっとすごい衝撃が。エビはきれいにピンセットから無くなっていました。とても荒い気性の持ち主だったのです。普段は物陰でひっそり隠れていることが多いのですが、攻撃性は強く、混合飼育は無理のようです。しばらくたって、新たに4匹のバイレイが仲間入りしたのですが、それぞれ単独に飼育しています。


 5匹は無事にすくすくと成長して、6〜8cmになりました。大きくなって、皮弁も伸びてくれることを期待しながら、毎日観察を続けています。


魚類展示課 秋田 朋

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