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第79回 メイタイシガキフグの稚魚デビュー


 メイタイシガキフグの稚魚の展示を2004年12月3日から3階「いろいろな形のフグ」水槽にて開始しました。今回は成長した姿をお客様にお見せできるようになるまでのお話です。親心がわかったような気がしました・・・。
日本で初めてメイタイシガキフグの繁殖に成功しました。現在約5ヶ月が過ぎ、まだ体は小さいものの、見た目はすっかり成魚のようで、ミニチュア盤といったところです。小さいヒレをパタパタと一生懸命動かして、元気に水槽を泳いでいます。クリスマスイブに6ヶ月の誕生日を迎えます。
メイタ顔
メイタイシガキフグ
産卵
2004年の6月22日に産卵しました。水槽内にはたくさんの卵が浮いていました。産卵日の数日前から雌の下腹部はだんだん膨れはじめ、産卵前日にはもうパンパンの状態でした。メイタイシガキフグは以前にも産卵はしていたのですが、未受精卵だったため卵は発生しませんでした。
雌お腹膨らむ
産卵前のメス

今回、受精卵であることを願いながら、顕微鏡で見てみと・・・念願の受精卵だったのです!ゆっくり、ていねいに水槽から卵をすくいあげ、バックヤードでメイタイシガキフグの仔稚魚用の水槽を設置し、そこで観察することにしました。(卵は球形分離浮遊卵で、卵径の平均は2.24mm)
受精卵

ふ化
産卵から2日後に卵から仔魚がかえりはじめました。ふ化が始まったのです。仔魚の平均全長は3.53mmで、まだ口は開いておらずお腹に卵黄をつけたままで卵からかえります。ふ化してすぐはその卵黄の中の栄養分で育ちます。
ウミスズメ
ふ化直後

ふ化3時間後に口が開き、24時間後に卵黄吸収が始まりました。そしてやっと仔魚は産まれて初めて餌を口にするのです。最初の餌として、仔魚の口のサイズに合った餌を与えなくてはいけません。シオミズツボワムシというプランクトンを与えました。ちゃんと食べてくれるか心配でしたが、ワムシを追いかける行動も見られ、無事に食べてくれました。ふ化48時間後に背びれ、臀びれができはじめます。成長に合わせ、アルテミア幼生、エビのミンチなどを与えました。
ブラインシュリンプ
アルテミア幼生

稚魚期
ふ化17日後(全長7.55mm)、各鰭の鰭条数が定数(背鰭12、臀鰭10、胸鰭21)に達し、これから稚魚期にはいります。そしてハリセンボン科に特有である棘が形成されはじめます。ふ化17日後(全長7.55mm)、棘の原基となる小さなコブ状の突起が出現しました。ふ化23日後(全長9.80mm)、そのコブ状の突起がどんどんと伸びてきました。そしてふ化39日後(全長20.80mm)、さらに伸びて棘を形成しました。ふ化52日後(全長約20mm)、成魚の背面に見られるのと同様な斑紋が形成されはじめ、ふ化69日後(全長約30mm)、体色斑紋が成魚とほぼ同様になりました。
オウムガイの殻
ふ化69日後

 ふ化から1ヶ月を過ぎた頃に病気で半数が死んでしまったり、体に空気が入って浮かんだままになったしまう個体がでたりと、何かと問題がありましたが、22匹が約5〜8cmに成長しています。今ではすっかり慣れて、人をみると「餌ちょ―だい!」とさらにヒレを動かして寄ってきます。お互いにヒレをかじりあったりと、わんぱく盛りです。しかし私にとってはかわいい22つ子ちゃんです。クリスマスイブには6ヶ月のバースデーのお祝い・・・22コ・・・。

 やっぱり親って大変ですね(苦笑)。

魚類展示課 秋田 朋

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