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第73回 えっ?何の仲間?一風変わった名前の生きもの


お客様から「あの生きものの名前は何ですか?」との質問を受けることがしばしばあります。関門海峡水槽でこの質問の一番指名の魚は何でしょう。
全長60センチから1メートルの4個体が付かず離れず、中層を泳いでいます。頭から尾にかけて1本の白い帯をもつのが特徴です。実はこの魚の名前は「スギ」といいます。聞き慣れない名前にちょっと拍子抜けしたように見受けられる時には、「マツでもタケでもなくスギと覚えて下さいね。」とお話しています。今年の夏も珍しい魚が釣れたとの問い合わせが寄せられると、スギでした。認知度は低いようで、その理由のひとつが魚らしからぬ名前のせいではないかと思います。
スギ
スギ

2階下関の自然砂浜には「モミジガイ」「トゲモミジガイ」というヒトデの仲間が砂に潜っていたり、生きている化石には「オオサンショウウオ」という両生類が岩陰に潜んでいたりします。
トゲモミジガイ オオサンショウウオ
トゲモミジガイ オオサンショウウオ

それでは・・・
カラス クマドリ ウミスズメ
これら3種、鳥類でなければ一体何の仲間と思われますか?
実はどれも海にくらす生き物、しかもフグの仲間たちなんです。
カラス フグ目フグ科 Takifugu chinensis
クマドリ フグ目モンガラカワハギ科 Balistapus undulatus
ウミスズメ フグ目ハコフグ科 Lactoria diaphana
クマドリ ウミスズメ
クマドリ ウミスズメ

そして、海響館ではこの夏より2種の生き物が新たに登場しました。
ウミボタル 節足動物門貝形虫綱ミオドコーパ目ウミホタル科 Vaargura hilgendorfii
ウミサボテン 刺胞動物門花虫綱ウミエラ目ウミサボテン科 Cavernularia obesa
ウミボタルは、体長3ミリ程度の大きさで、昼間は砂の中に隠れ、夜になると活動をはじめます。外敵から身を守る時に吐き出す液が海水と混ざって青白く光ります。
ウミサボテンは、昼間は10センチ以下に縮んで砂の中に隠れ、夜には50センチになります。体の内側表面に細長い分泌器官を持ち、一部に刺激を与えると緑色の光が全体に広がります。
どちらの種類も昼間は砂の中に身を潜め、夜になると活動をはじめ、発光生物という共通の特徴を持ちます。ウミボタルはエビやカニと同じ甲殻類であり、ウミサボテンはサンゴやクラゲと同じ仲間になります。
夏になると、日が沈んだ下関の砂浜でもウミボタルの青白い光を観察することができます。また、砂地で投げ釣りをしていると根がかりウミサボテンがかかってくることもあるんですよ。
ウミボタル
ウミボタル
ミナミウミサボテン
ミナミウミサボテン
魚類展示課 土井 啓行

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