下関での最高気温が30℃近くになった5月下旬の晴天の日、山口県豊浦郡にある黒井漁業協同組合のモジャコ漁に同伴させて頂きました。漁場は矢玉から角島沖の流れ藻がある場所。流れ藻さがしは潮目をさがすことからはじまります。
沿岸より流れだした海藻は、風や潮の流れにより、潮目に集まります。また沖合いで産卵し、成長したブリの稚魚は潮目に集まり、流れ藻につくようになります。
沖に向かって船を走らせ、10分もすると、潮目に沿って流れ藻が点々ときれいな列をなしているのがわかりました。操業がはじまり、1本の竿から巻き網で流れ藻ごと船上にあげられると、いろんな稚魚の宝庫。流れ藻が「稚魚のゆりかご」と称されるのも納得です。海藻には稚魚たちの餌生物となる小型甲殻類のヘラムシ、ワレカラ、ヨコエビが着生していました。海藻はアカモクが主体で、ヤツマタモク、ノコギリモクもみられました。これらの海藻は春に成熟し、シケなどにより根からはがれ沖合いに流れ出ます。浮き袋がわりとなる気泡をもつのがアカモクをはじめとするホンダワラ類の特徴です。
ブリの稚魚は海藻に溶け込んだ黄金色をし、少し赤味を帯びた縞模様がみられます。そのため“モジャコ”と呼ばます。1〜2年養殖され、ハマチ・ブリとして食卓にのぼることになるのです。人工種苗の研究もさることながら、天然稚魚にたよるところが大きいのです。四国、九州周辺では県ごとに採捕期間が設定され、4月下旬〜5月が最盛期となります。本年は解禁1ヶ月が経ちましたが、各地とも流れ藻が非常に少なく、極めて低調な採捕が続いているそうです。
当日確認できた魚種は、イシガキダイ、イスズミ、ウマヅラハギ、オヤビッチャ、カゴカキダイ、カワハギ、ギンポ、クジメ、ハナオコゼ、ブリ、ニジギンポ、メジナ、メダイ、メバル、ヨソギなどどれも全長5〜10センチほどの大きさです。また、体色もほとんどの種が黄色基調にしているのは、流れ藻でくらしていた証といえるでしょう。
一日中、流れ藻と共に漁獲される魚たちをのぞいていて感じたのは、午前の部ではメジナ(下関ではクロ)の稚魚が最もよくみられたのに対して、午後の部でクロはすっかり姿を消し、メダイ(ダルマ)の稚魚がみられました。海原の流れ藻を探し続け、船から降りるころには、顔や腕はすっかり今年最初の日焼けで真っ赤になっていました。
海響館2階「沖合いの環境」で流れ藻につく魚たちを展示中です。今回紹介できなかった魚たちも海藻の中や下に隠れていますよ。モジャコ(ブリ)をはじめどんな魚たちがいるのかじっくり観察してみて下さいね。また、漁港の中まで流れついた海藻にもきっといろんな稚魚や小さな甲殻類がすみついているにちがいありません。
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| 潮目捜索中 |
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| 巻網での採捕 |
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| 気泡 |
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| カワハギ・ウマヅラハギ |
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| ハナオコゼ |
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| エボシガイ |
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