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第57回 ホホジロザメって?

 皆さん、映画「ファインディング ニモ」をもうご覧になりましたか?グレートバリアリーフを舞台として、カクレクマノミやナンヨウハギなどサンゴ礁に生息するお魚たちがおりなすディズニー映画です。私も、さっそく見に行ってきました。感想は・・・、やはり水族館に勤める人間として、「ここがおかしいんじゃないの?」とか、「これはだめでしょう」とか思う点もちらほらありましたが、全体を通して生きものたちをとてもリアルにそして美しく描かれていて、とても楽しめる映画だったと思います。
ニモの舞台となったサンゴ礁の世界
(※イメージ)

 映画の内容の話はさておき、今回はその映画の中でサメトリオの一員としてとしてひときわ異彩をはなっていた「ホホジロザメ」について紹介しようと思います。
 皆さん、ホホジロザメは知ってますよね?名前は知らない人も、映画「ジョーズ」で話題となった"人食い鮫"といえばお分かりいただけるのではないでしょうか?ホホジロザメは、世界各地の温帯海域にまばらに、そして局地的に生息しています。特にオーストラリア、南アフリカ、カリフォルニア、地中海の沿岸に多く見られ、平均体長は4〜5mで、体重は3tを超えることもあるサメの仲間です。
 では、皆さんに質問です。ホホジロザメは比較的冷たい海と灼熱の暖かい海、どちらが好きだと思いますか?映画「ジョーズ」で繰り広げられる「常夏の楽園に突如として現れる」というイメージから、暖かい海が好きだと思われる方も多いのではないでしょうか?しかし、ホホジロザメはどちらかというと「比較的冷たい海」のほうが好きなのです。なんと、北海道南部の水温7.2度という冷たい海でホホジロザメが捕獲された例もあるのですよ。世界的に見ても、北米のカリフォルニア、南アフリカ、オーストラリアなど赤道から離れた冷温帯の海に多く生息しています。

 先ほど、"人食い鮫"として有名と言いましたが、ホホジロザメの主食は、アシカやアザラシやイルカなどの海にすむほ乳類で、めったに人を食べることはありません。たまに、ホホジロザメに人が襲われたというニュースがありますが、多くの場合はサメが人をエサとなるアシカやアザラシと間違えたために襲ったのではないか?と言われています。とはいっても、体長4m以上の大きな体で、口をがぶーっとあけて襲われたら・・・、それだけで人なんてひとたまりもありませんよね。
 アシカやアザラシなど大きな生きものを襲って食べるホホジロザメの歯には秘密があります。ホホジロザメの歯の縁をよくみると、三角形の歯のまわりにギザギザとした突起がたくさんあるのがわかります。このギザギザは、ステーキナイフのギザギザと同じような役割を果たしていて、大きな肉のかたまりなどをすぱっと切り取るのに都合よくできているのです。
 そんなホホジロザメが、山口県にもやって来たことがありました。1999年7月9日、光市の海水浴場に突然大きなホホジロザメがあらわれたのです。ヒレを海面上にのぞかせて泳ぎ回り関係者をおどろかせましたが、大格闘の末に光漁業協同組合の皆さんによって捕獲されました。捕獲されたホホジロザメは、体長5.3mと、国内で記録されたホホジロザメとしては五本の指に入る大きさだったとか・・・。
 現在、海響館で行われている企画展でその時捕獲されたホホジロザメの口の実物標本も展示しています。是非、一度実際にその口の大きさと迫力を肌で感じとってみてください。圧巻ですよ!
ホホジロザメの歯の写真(一本のみ拡大)
ホホジロザメの歯
ホホジロザメの歯の縁(拡大)
ホホジロザメの歯の縁(拡大)
ホホジロザメの歯全体
ホホジロザメの歯全体

冬の特別企画展
  「ファインディング ニモの仲間たち 徹底解剖」
   期 間:平成15年12月13日〜平成16年2月1日
   場 所:海響館 一階イベントホール
    海響館観覧料のみでご覧いただけます。

魚類展示課 杉山 由貴子

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