第28回 こうやって海響館にやってきてます!-クラゲ編-


 皆さんは、海響館にいるクラゲたちがどのようにして海からやってきたのか御存知ですか?
 今回は、クラゲの採集にまつわるお話をしたいと思います。海響館では、その時々に山口県近海に出現する身近なクラゲを、私達飼育員が自ら採集し、展示飼育しています。
 主な採集場所は、水族館のすぐ前の関門海峡の港内や、近くの漁港(吉見、吉母、川棚、室津など)で、陸上からの採集がほとんどですが、たまに定置網に乗船させていただいた際に船上から採集することもあります。
採集道具のひしゃくやバケツ
 次に、採集道具ですが“網”は絶対に使えません。もしも網を使ってクラゲを採集したものなら、クラゲはかなりのダメージを受けて衰弱してしまうのです。そのため、クラゲ採集では“ひしゃく”を用います。

神経を集中させて採集
 さて、採集方法ですが、クラゲをそのまわりの海水ごとすくいあげるといった感じですので、ひしゃくの中にはたくさんの海水が入って重く、持ち上げる時にかなりの気合いが必要です! ちょっとでも気を抜いてしまうと、クラゲがひしゃくから流れ出てしまったり、またせっかく見つけたクラゲを見失ったりしてしまいます。
 クラゲ採集は、簡単そうに見えてじつは以外と難しいのです。特に、大きさが5cmほどの小さなクラゲを採集する時は、神経を集中させて慎重におこないます。

 そうしてやっとの思いで持ち上げたひしゃくの中のクラゲをバケツにうつす時も、「バシャッッ!」と入れたら、今までの苦労が水のあわ、、、「うっ」。必ずあわが生じないようにそっとうつします。なぜなら、このあわがクラゲの傘下に入り込んでしまうと、クラゲは自分でそのあわを排出できず、最後にはあわのせいで、体に穴があき弱ってしまうことがあるからなんです。ですから、クラゲを採集したバケツは、海水をいっぱいにはり空気が入らないように蓋で密閉して運んでいます。‥クラゲってデリケートないきものでしょ! 


 今現在は(6月中旬)、ミズクラゲ、アカクラゲ、ウリクラゲの3種類を展示しています。ウリクラゲは5月9日から海響館では初めて展示を試みています。体に、繊毛の集まった「くし板」を持ち、ここに光が反射して虹色にきらきらと光って見えるとてもきれいなクラゲで、個人的に好きなクラゲでもあります。しかしこのウリクラゲは、生活史がまだよく分かってなく、餌も何でも食べてくれるわけではないので、長期飼育が大変難しい種類なのです。
ウリクラゲ
 でも、皆様に少しでも長くウリクラゲをご覧いただけるよう、一生懸命飼育していますので、是非一度この神秘的なクラゲをみてくださいね。

海響館で展示されたクラゲたち

 水族館の近くで、ひしゃく片手にじっと海をのぞきこんでいるあやしげな女性をみかけたら、きっとそれは私です。海をのぞきこむことは、とても楽しいですよ。季節によって見られるクラゲもさまざまですし、小さな魚の稚魚の群れを発見することもあります。その反面、ゴミの多さにも驚かされますが、、、。

魚類展示課 榎本 三和

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