第24回 ドライブ 〜お魚編〜

 みなさんはドライブが好きですか?海響館の魚たちのほとんどが車に乗ってやってきます。海響館には魚を運ぶためのトラックが2台ありますが、今回は私の4tトラック初運転となったコノシロの輸送についてお話ししたいと思います。以前、マンボウ輸送の話でこの4tトラックについては説明してありましたので、どんな車かは、そちらをご覧下さい。目的地は、山口県水産研究センター、内海研究部。普段から何かとお世話になっているこちらの施設まで、約2時間のドライブです。
4トントラックと私


 コノシロは2階の円柱水槽に仲間入りします。すでにたくさんのコノシロが泳いでいますが、よ〜く見ると何匹か別の魚が混じっています。同じ所からやって来た魚たちで、本当は水槽に入れる時点で分けるのですが、飼育員がついつい見落としてしまった魚たちです。その辺は御愛嬌。笑って許してください。まずは出発の前日までに水槽の掃除を行います。新しくやって来た魚たちがその環境に慣れるまではなるべくストレスを与えないようにしなくてはいけません。しばらく掃除しなくてもいいようにきれいにしておきます。
 そして当日、バケツや網など必要な物を積み込んだら、いよいよ出発です。・・・が、勢いよくアクセルを踏み込んだとたん、“ビーッ!!!”というけたたましいブザー音。鳴りやまない大きな音にパニック状態の私に、隣から「エンジン切れ」と冷静な一言。そこでようやく我に返り、現状を理解しました。エンストです。4t車ではエンストすると音が鳴ると聞いてはいたのですが、予想以上の大きさでした。水族館からでてすぐだったので後続車もなく、気を取り直して改めて出発です。出だしでつまずいたものの、その後は何事もなく、のろのろペースではありますが、無事到着。緊張感から開放され、安心したのもつかの間、魚たちをトラックに積み込む作業が始まります。
 研究センターでは月に1回くらいのペースで池を干し、魚を集めているそうです。それらを別の水槽に移し、私たちが受け取りに行くのを待っていてくださいます。そこからトラックに移すのですが、この時の魚の採り上げ方にも注意しなければなりません。コノシロは傷つきやすく、ちょっとしたスレでうろこがはがれてしまい、死んでしまったり、細菌の感染などを招いてしまったりするのです。そこで、魚をすくう時はビニール袋に穴を開けた飼育員お手製の網を使用し水ごとすくいあげています。研究センターの方にも手伝って頂いて、丁寧にすくっていきます。あっというまにトラックの水槽はいっぱいになりました。水槽に入れるために水温を調節しながら、海響館へ帰ります。
山口県水産研究センター
水を抜いた池


 帰りは大事な魚たちを乗せているのでベテランの飼育員の方が運転します。私は助手席で、時々モニターに映る水槽の魚たちの様子に気を配ります。ここでみなさんにお願いがあります。私のように初心者が運転するときだけでなく、魚を運搬するときはその魚を驚かせたり傷つけたりしないようにゆっくりしたスピードで安全運転をしています。又その逆もあり、一刻も早く水族館に運ばなければ命が危ない!なんてときはあせっていることもあります。もし、道路でこのような海響館のトラックを見かけても、魚がのっているんだと思って、怒らないでくださいね。お願いします。さて、こうして水族館に到着した魚たちは同じようにビニールの網でトラックから水槽へと移されていきます。他の魚たちに混じって泳ぎ始めたら、一安心。輸送は無事終了です。今回は比較的近場で簡単な輸送でしたが、海響館の魚たちはこんな風にいろいろな所から運ばれてきます。今度水族館を訪れた時には、ぜひ、車に乗っている魚たちの様子も思い浮かべてみてくださいね。

魚類展示課 木村 公美


■第5話「マンボウ輸送の秘密」へはこちら


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