海響館にはたくさんの魚たちが暮らしていますが、かれらの故郷は様々です。海響館のすぐそばの下関の海から来た魚もいれば、遠く海外からやってきたものもいます。そんな魚たちが快適に暮らしていくには、魚にとっても飼育員にとってもちょっとした苦労が必要なのです。
今展示水槽に出ているヒブダイは、予備水槽にいる頃飼育員の間ではちょっとしたアイドルでした。小さな窓から顔を半分だけのぞかせてじっと外を見ている姿は、何とも滑稽で、なんだかすべてを見透かして見られているようでいつもドキドキさせられました。そんな彼らも今は2階のサンゴ礁水槽で他の魚たちと悠々と泳いでいます。あのギョロっとした目つきを見ると窓から覗くあの姿を思い出して、思わず笑いそうになるのです。
中には、怪我や病気などで予備水槽にかえってくる魚たちもいます。痛々しい傷や元気のない姿を見るのは辛いですが、きちんと治療して元気になる日を待ちます。 飼育員の一日は水槽を見て回ることから始まり、また見て回ることで終わります。ひとつひとつの水槽をじっくりみて、魚たちの様子をいつも見守っています。みんなが元気で泳いでいる事が一番の喜びです。もし、水槽の前でじっと動かない飼育員を見つけたら、その視線の先をたどってみてください。何か新しい発見があるかもしれません。
魚類展示課 木村 公美