お魚探検隊
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第153回 「「ズームアップ・フグの不思議〜歯に注目!〜」ダイジェスト版」

 皆さん、こんにちは。お魚探検隊員の山ノ内です。スポーツの秋、読書の秋、そして食欲の秋…。皆さんはいかがお過ごしですか??海響館の生き物たちは、もりもり餌を食べてこの秋も元気いっぱい!!です。さて、今回のお魚探検隊は、生き物たちが餌を食べるのに必要不可欠な「歯」のお話です。3階フグコーナーでは、「ズームアップ・フグの不思議」と題して毎回一つのテーマに焦点を当て、皆さんにフグについてもっと知ってもらおうという展示解説を行っています。その第三弾として平成21年2月8日まで行っていた、フグの「歯」に関する内容を、ダイジェスト版でお送りします。

1.歯をみてみよう
 魚の歯がどんな形をしているか知っていますか??鋭く尖っている?それとも私たちの奥歯みたいに平ら?実は、魚の歯の形は、その魚の獲物の捕らえ方や食べ方と大きな関係があり、歯の形も魚によって様々です。魚たちは普段は口を閉じていて、あまりじっくり歯を観察することができませんが、餌の時間は大きな口を開けるので、歯の観察にはもってこい!!しかし、餌の時間でなくても、よく観察していると歯が垣間見える瞬間もありますよ。
シノノメサカタザメ
クエ

2.フグの歯 いろいろ
 続いて、フグの歯をみてみましょう。フグの仲間は他の魚と比べると、割と口が半開きの状態であることが多いので(だらしないわけではない)、観察しやすいと思います。更に人なつっこいこともあって、水槽に近付くとフグたちから寄ってきてくれることも。そんな時にちらりと見える歯を観察していくと、フグの歯も形が様々であることに気付きますよ。

・ タイプ1−くいちぎる!− 
皆さんが思い描くフグの歯は、このタイプではないでしょうか?鳥のくちばしのような鋭い歯をしています。トラフグや多くの淡水フグがこのタイプです。餌を豪快に食いちぎることができます。
くいちぎる
・ タイプ2−けずりとる!− 
人間の前歯のようなうすくて小さな歯をしています。カワハギや、モンガラカワハギなどの仲間がこのタイプです。岩に生えた海藻等をけずりとって食べることができます。
けずりとる
・ タイプ3−すりつぶす!− 
パッと見ると何の面白みのない形をしていますが、その奥には、洗濯板のような歯があります。ハリセンボンなどがこのタイプで、貝類、甲殻類などをバリバリ噛み砕くことができます。
すりつぶす

3.フグの歯の数
 これもフグの種類によって様々です。例えば、トラフグや多くの淡水フグは上に2枚、下に2枚の合計4枚の歯を持っています。
トラフグ
 ソウシハギは上に6本、下に6本の合計12本。と思いきや!!上の歯の裏側を見てみると、なんとここにも歯があるのです!!上の裏側にある4本の歯を加えて、合計16本の歯を持っています。 ソウシハギ
 そして、ハリセンボンは上下に1枚ずつの合計2枚の歯を持っています。 ハリセンボン
 ところで、全ての生き物はラテン語で表される「学名」という世界共通の名前を必ず持っています。この学名を見ただけで歯の数がわかってしまうフグがいるので、ご紹介しましょう。まずは、次のラテン語の単語を頭に入れて下さいね。
 Mmono::1
 di:2
 tri:3
 tetra:4
 odon:歯


 ウチワフグは残念ながら海響館で展示していませんが、ネズミフグの仲間、テトラオドン・ムブの仲間は展示していますので、水槽越しに確認してみて下さいね。
ネズミフグ
ウチワフグ
テトラオドン ムブ

番外編〜超簡単!!歯の標本を作ろう!!〜
 ここまで何枚か「歯」の標本の写真を紹介してきましたが、実はどれも1〜2日でできてしまう、超簡単な標本なのです。恐らくフグ以外でもほとんどの魚で応用できると思いますので、スーパーで丸ごと魚を買ったり、魚釣りで面白い魚を釣った時には、是非歯を標本として残して見て下さい。標本にすると、じっくり観察することができるので、面白い発見があるはずですよ!!
 <手順1>
 口の回りを少し大きめにカットし、ハサミなどでおおまかに皮や筋肉をとり除きます(除肉)。
 <手順2>
 鍋にお湯を沸騰させ、中に手順1でカットした物を入れる。この時、火は必ず消します。ぐつぐつ煮込むと骨や歯がもろくなってしまいます。肉の色が変わってきたら、ハサミやピンセット(先が尖っている物がベスト!)、毛抜き、つまようじを駆使して、細かい所まで除肉します。肉が冷めて硬くなると除肉しづらいので、時々お湯につけながら行います。
 <手順3>
 だいたい除肉できたら、入れ歯洗浄剤または家庭用パイプ洗浄剤を水道水で溶いた水溶液に浸けて、一晩置きます。取きれなかった細かい所の肉がきれいに取れます!
 <手順4>
 乾燥させて出来上がり!!隅々まで観察して下さいね。

 さて、今回のお魚探検隊はこれでおしまい。フグの歯、というと鋭く尖っていて、噛まれると痛い!とか、フグ同士が噛み合うと大変!というイメージがあると思いますが、それ以上に、食べる物・食べ方によって形が違う事も知ってもらえると嬉しいです。フグのかわいらしい顔の内側には、こんなにも凝った歯が隠れているという事を思い出しながら、フグの観察を楽しんで下さいね。


 魚類展示課  山ノ内 祐子
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