お魚探検隊
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第147回 「森の妖精!モリアオガエルの産卵」

 雨がジトジト降る梅雨の時期。私達人間にとってはちょっと嫌な時期ですよね。しかし、このジトジトした時期が大好きな生き物がいます。それは皆さんおなじみのカエルです。田んぼや小川で見る機会が多いカエルたちですが、木が生い茂る雑木林や森の中でしか出会えないカエルがいます。そのカエルの名前は「モリアオガエル」。なかなか出会うことができないこのカエルについて紹介したいと思います。

どんなカエルなの?
 モリアオガエルは本州と四国に分布し、雑木林や高山帯にかけて生息しています。岩手県や福島県の生息地では国の天然記念物に指定されており、山口県山口市の常栄寺の中庭も生息地として県の天然記念物に指定されています。大きさは4cmから10cm程度で、暗褐色から緑色の体色をしており、木の上を生活場所としていることから、指に大きな吸盤が発達しています。
モリアオガエルのメス
梅雨の時期が出会いのチャンス!
 多くのカエルたちが5月〜7月に繁殖期を迎え、卵を産むために水辺に集まってきます。モリアオガエルも同様で森の中の水辺に集まってきます。カエルの卵といえばゼリー状の膜に卵がつまった塊が水中に沈んでいるイメージがありますが、モリアオガエルの卵はまったく違っており、白い泡につつまれた卵をなんと木の枝に産み付けるのです。
白い泡の中にたくさんの卵が入っています

産卵を観察できた!
 実際に産卵しているところを観察すべく山口県のとある場所の小さな水たまりへ見に行くことにしました。産卵が行われるのは湿度が高い雨が降っている夜間に多く、観察の日も雨が降っていました。水たまりの近くではモリアオガエルの可愛らしい「コロコロッ、コロコロッ」という鳴き声が聞こえてきました。そして木々を見上げるとたくさんの白い卵塊があるではないですか!目をこらし木の上を見ていると、風も吹いていないのに揺れている枝を発見しました。それは、ちょうどつがいが産卵を開始しているところでした。
産卵の様子
時には昼までも産卵し、一匹のメスに多数のオスが群がることもあります
 白い泡も少しですができています。どうやってできているのか観察してみると、後ろ足でかき混ぜて泡立てているようです。その泡の成分は粘液や尿といわれておりオスもメスも器用にかきまぜていました。 後ろ足でかき混ぜています
 この泡の役割ですが、卵を乾燥や外敵から守っています。しかも孵化直前の頃には泡がとけはじめオタマジャクシともども水たまりへ落ちるようになっています。 泡の中に黄色の卵がみえます
無事に大きく育て!
 
水たまりに落ちたオタマジャクシにはこれからたくさんの試練がまっています。すでにヤゴやイモリがたくさん水たまりで待ちかまえており、カエルになるのはほんの一部しかいません。最後になりましたが、モリアオガエルは山口県の準絶滅危惧種に指定されています。人里離れた森で生活しているためか、森林伐採や造成工事などで人知れず減少している可能性があります。ぜひ山口県の森の中に、「鳴き声が可愛らしく、不思議な泡を作り出すモリアオガエルがいるんだ!」ということを知っていただければと思います。

 魚類展示課  落合 晋作
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