2007年9月25日、有明海より運んできた成体のクラゲから卵を得るために、7匹一緒に飼っていると、翌日の朝、何やら海水が白く濁っていました。もしや!と思い、内心ドキドキしながら海水をすくって顕微鏡で観察すると、思惑通り大きさ0.1mmほどの卵でした!そっと慎重に卵と海水をプラスチックシャーレに移して経過を観察しました。
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翌日には全身に短い繊毛の生えたプラヌラ幼生になりました。プラヌラ幼生は繊毛を使って小さなシャーレの中を泳いで移動していました。かわいいなと思って見ていると約1週間後にはシャーレの底にくっつきポリプになりました。初めは2本だった触手(毒針のある部分)も時間が経つにつれ、4本、6本と増えていきました。4本になったところで、初めてシオミズツボワムシという大きさ1mmにも満たないとても小さな動物プランクトンをエサとして与えてみました。すると器用に触手をつかって捕まえ、口の中に取り込んで食べていました。触手が8本になるともう少し大きなアルテミアという動物プランクトンを食べるようになりました。
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大きさが1mmを超えると、触手の数が全てそろう(16本)ポリプが出てきました。順調、順調。と思って観察を続けていると、いつまで経っても次の段階に成長しないではありませんか。ふと、当館でそれまでに繁殖に成功していたミズクラゲの場合を思い出しました。水の温度を低くすると次の段階のストロビラになるのです。早速それまでの20℃から15℃に変更してみました。すると変化は・・・ありませんでした。おかしいと思い、今度は25℃にしてみました。すると・・・今度は見事にストロビラになりました。自然界では、ミズクラゲは水の温度が下がる秋から冬にかけてストロビラになり、ヒゼンクラゲは温度が上がる冬から春にかけてストロビラになるようです。
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ストロビラはお皿を重ねたような形をしていました。よしっ、と思っていたのもつかの間。3日後にはストロビラから1枚のお皿が離れていくように、大きさ3mmほどのエフィラが放出されました。エフィラの先はギザギザしており、花びらのようでした。エフィラ達は活発に泳ぎ、エサであるアルテミアをよく食べました。
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約10日後には新しくギザギザした部分が生えてきて、メタフィラになりました。もうほぼクラゲの姿です。エフィラ放出から約100日後には傘の直径3cmほどの、成体クラゲとそっくりな立派な稚クラゲに成長しました。
残念ながらその後はだんだんと小さくなり死亡してしまいましたが、今後は傘の大きさ1m近くの成体クラゲにまで成長させることができるよう努力していきたいと思います。 |


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