お魚探検隊
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第137回 「食欲の秋」

 だんだんと肌寒くなり、すっかり秋も深くなってきました。運動の秋、読書の秋などたくさんの秋がありますが、皆さんはどんな秋を思いつきますか?今回のお魚探検隊はズバリ食欲の秋ということで、海響館の生き物たちが普段どんなものをどんな風に食べているのか紹介しましょう。
餌の種類
  約5百種類2万点の生き物を飼育している海響館では80種類ほどの餌を1日に200kgくらい使い、その種類も量も半端ではありません。まず、一番多くの使用量を誇るのが「冷凍餌」で、飼育しているほとんどの生き物がこの冷凍餌を食べています。読んで字のごとく保存の為に冷凍してある餌で、サバやアジ、シシャモ、ホッケ、といった魚から、アサリやカキ、イカ、エビ、オキアミなどがあり、その中には人間用の製品もあります。しかし、普段私たちが食べている子持ちシシャモと呼ばれるメスの卵は腐りやすく、鮮度が悪化するという理由から使わず、餌にはオスのシシャモを使っています。
たくさんの種類があります2kg分の甘エビです
 次に多いのが「配合飼料」です。配合飼料と聞くとあまりピンとくる人は少ないかと思いますが、一番身近な配合飼料として、誰もが知っている金魚の餌があります。配合飼料は小麦粉や、魚肉、野菜、ビタミン剤などを混ぜ合わせたもので、科学的に栄養のバランスがとれた餌です。しかし優れた餌ですが、生き物たちが簡単に餌付いてくれないという弱点があります。海響館で飼育している生き物たちは、その多くがもとは野生個体です。いきなり海から水槽へ入れられて、見たこともない餌を出されても食べるはずがありません。神経質な生き物だと冷凍餌すら見向きもしないこともあります。そんな時、大活躍するのが「活餌(いきえ)」です。活餌とは、釣り餌でおなじみのゴカイやエビ、時には金魚やフナなどの小魚を生きたまま与えます。やはり、生き物も私たちと同じで新鮮な餌には目がないようで効果は抜群です。活餌に餌付いた後は徐々に冷凍餌、配合飼料と切り替えていきます。
 その他に「特殊な餌」という餌があります。雑食の生き物に与える野菜類や、口の小さな稚魚や幼魚に与える動物プランクトン。その動物プランクトンに与えるための植物プランクトンなども餌の一つです。
餌を作る
 先ほど紹介した冷凍の餌、これはそのまま与えることはできません。前日から解凍しておき、毎朝スタッフ総出で「調餌(ちょうじ)」と呼ばれる作業を行います。生き物の口の大きさに合わせて切ったり、3kg分のエビの殻を剥いたりと、まさに戦場です。その後、一定の大きさに切り分けた餌を、各担当スタッフによってさらに小さく切ったり、水槽ごとに決まった量に分けたり、その日のメニューを考えたりします。また、冷凍保存していた餌はビタミンCなどの栄養素が破壊されているので、ビタミン剤などの添加はかかせません。
水槽ごとに猟や種類を変えます

餌を与える
 下準備やメニュー決めなど色々な作業がありますが、ここからが一番大事な作業「給餌(きゅうじ)」です。簡単にいうと餌やりです。給餌はいかに上手く食べさせるかが飼育スタッフの腕にかかっています。水族館生活に慣れた生き物は落ちてくる冷凍餌を上手に食べることが出来ますが、そうでない生き物や神経質な生き物は落しただけでは見向きもしなかったり、餌であることさえ気づかないこともあり、時には一カ月も何も食べないこともあります。
今日は食べてくれるかな
 そこで、飼育スタッフはあの手この手を使って何とか餌を食べさせようと試みます。ある時は、まるで生きているかのようにオキアミを操り、またある時は先に餌付いている同じ生き物と同居させたりします。そんな甲斐もあり初めて食べてくれた時の感動は言葉では言い表せません。
 海響館では給餌解説と言って、不定期ではありますが色々な水槽で給餌の際にお客様に解説を行っています。館内を歩いていて給餌解説に遭遇したらどんどん質問して下さい。もっと詳しくて面白い裏話が聞けるかもしれませんよ。その日の給餌解説のスケジュールはエントランスのおススメボードに書いてあるのでまずはチェックしてみて下さい。


 魚類展示課 清家 和洋

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