お魚探検隊
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第130回 「サンゴ礁水槽の魅力1
 〜展示変更、チンアナゴの展示まで〜」

 海響館のサンゴ礁水槽の人気者といえば・・・そう、「チンアナゴ」!砂からニョキニョキ顔をだし、水流にのってながれてくるプランクトンを一生懸命食べているしぐさは、仕事で疲れた私をいつも癒してくれます。しかし、このチンアナゴを展示するまでにいろいろ苦労がありました。今回はそんな苦労話をお話します。

 海響館の2階にあるサンゴ礁水槽ではチンアナゴの展示を行っています。砂からニョキニョキ顔を出している姿とても愛嬌があり、お客さんにも大人気!みなさん水槽の前に座り込んでチンアナゴを覗き込んでいます。
 サンゴ礁水槽にチンアナゴが登場したのは2006年の6月、サンゴ礁水槽の展示変更を行ったときからです。展示変更以前のサンゴ礁水槽は展示している魚たちが大きく成長し、自然界の何倍もの生息密度にまでなって、魚たちもどこか窮屈そう・・・そこで、展示魚種とレイアウトを大きく変更しようとしたのが、展示変更のきっかけです。
 サンゴ礁水槽の水量は約50000L重さにすると50t、魚を取り出すだけでも一苦労でした。閉館後、魚を網ですくえるところまで水を抜き、魚たちをすべて予備水槽へ移動させます。これだけでもかなり時間がかかりましたが、これで終わりではありません。そのあとは水槽の底に敷いていたサンゴ礫の取り上げ作業が待っています。掘っても掘っても水槽の底が見えてきません。スタッフ総動員して、ようやく取り出し終えたのは水を抜き始めてから5時間近く経ってからでした。
チンアナゴ達
変更前のサンゴ礁水槽
魚取り上げ中
 その次の日には水槽のアクリルガラスのバフがけ(アクリルについたキズを目立たなくする作業)、擬岩、擬サンゴの補修(以前のサンゴ礁水槽の岩、サンゴはすべてレプリカでした)を行い、作業開始2日目にしてようやく砂入れの作業になりました。展示変更後の底砂はこれまでのサンゴ礫とは違い、チンアナゴが潜れる細かいサンゴ砂を選択。チンアナゴが潜れるように水槽に入れた時の砂の厚さを考え、新しく入れる砂の量を計算すると・・・何と約4t!若さが自慢のスタッフも、学生のころに比べ筋肉が脂肪へ変わり、衰えゆく体に4tの砂運びはかなり堪えました。どうにかこうにかで水槽の中に水を入れ、新たにデバスズメダイやチンアナゴなど以前のサンゴ礁水槽では展示してなかった魚を搬入しました。
 さて、これで一安心と思いきや30匹近く入れたチンアナゴがほとんど顔を出しません。そればかりか、どうも数が減ってきています。死んだチンアナゴも見かけませんし、ちゃんとエサも食べているのに・・・もしかしたら
 そう思いよ〜く観察していると、ようやく犯人が分かりました。「コクテンフグ」「サザナミフグ」のフグコンビです。フグの仲間の中には口に含んだ水を砂に吹きかけ、砂の中のエサを探して食べる種類がいます。このフグコンビもこの方法でチンアナゴを食べていたのです。こればかりはしょうがないので、フグコンビたちは別の水槽へ移動させることになりました。
 これで天敵(?)もいなくなったので、ようやくチンアナゴたちも顔を出すようになりました。もう展示を開始して2年近く、体も太くなり、新しく展示したニシキアナゴと並んで餌を食べています。どんな苦労をしても水族館にきたお客さんが喜んでいるのを見ると、展示してよかったなと思いますね。これからもカンバルぞー(^o^)/
 これからもサンゴ礁水槽の魅力をたくさんお伝えしていきますので、皆さんぜひ見に来て下さいね。
(2008.6.1up)
変更後のサンゴ礁水槽


 魚類展示課 園山貴之

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