お魚探検隊
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第128回 「清流のシンボル サツキマスを探して」

アマゴ?サツキマス?
 山口県の瀬戸内海に注ぐ河川の上流部にはアマゴと言うサケ科の魚がすみます。体の大きさは30cm程度にまで育ち、体にはパーマークと呼ばれる灰色の丸い斑紋があり背中側には小黒点が、体側には朱点が散在するのが特徴です。なぜタイトルにサツキマスとあるのにアマゴの説明をするかというと、アマゴとサツキマスは同じ種類なのです。サケ科の多くの仲間は川で生まれ、海に下り成長し、川に戻るという暮らしをします。この海に下ったアマゴがサツキマスなのです。栄養豊かな海で育ったサツキマスはアマゴより大きく50cmほどにまで成長するといわれています。

どこにいるの?
 このサツキマスはどんな川でも見られわけではありません。河川の上流域と海を行き来するので河川水量が多く、遡上を妨げる、堰堤やダムが少ないことが必須です。濃尾平野を流れる長良川では有名ですがこの山口県でも見ることができるのかでしょうか?山口県の大河川といえば岩国を流れる錦川を思い浮かべ職場のsakusakuとともに観察に行くことにしました。サツキマスは5月ごろから川を遡上し始め、秋の産卵が終わると死亡します。そのため観察のチャンスは約半年間。そこで僕達は初夏、サツキマスが産卵場所までのぼる間に休息しそうな淵や堰堤などを探しまわりました。いそうな場所を見つけてはウエットスーツに着替え潜って観察しました。しかし、なかなか見つけることができません。時には、地元のおじいちゃんにお話を聞いたりし情報を集めたりしながら…しかし、何度も通いましたがとうとう見つけられないまま秋になってしまいました。

見つけた!
 あきらめかけたころ紅葉で色づき始めた山間の小さな川をのぞいた時のことでした。川の上から見てもすぐに分かるその姿「いたー!!三匹おるー!!」僕のテンションは急上昇!相方sakusakuはまだ半信半疑といった様子。そうしている間に目の前では40cmにもなろう大きな魚が2匹、川の中で争いを開始!そしてsakusakuの目にもその姿が飛び込んだ様子。その生き様にしばらく二人して見入っていました。その後、改めて水の中から観察することにしました。念願のサツキマスをついに間近で見ることができました。その姿は桜色に染まり、顔はアマゴに比べ前に口が突き出しりりしい感じです。あたりを見回すと川底には掘り返した後がいくつか見られました。産卵床です。サツキマスは最後の大仕事をこの場所で行っているのです。紅葉が終わる頃には命が尽き、次の世代へと命をつなげます。

サツキマスを取り巻く環境
 今回会えたサツキマスは実は海に下ったのではなく、ダム湖に下ったもののようです。本来の川は山から海へと一つの流れでつながっているはずだけど、その流れの中には人間の生活によってダムや堰など魚の行き来を妨げるものが増えてきました。生活の中で海を必要とする川の生き物(モクズガニ、エビの仲間、アユ、ウナギ、ヨシノボリの仲間)にとっては、すみにくい環境となっています。今度は海から上がってきたサツキマスに会ってみたいものです。(2008.3.27up)
河川調査中錦川サツキマスサツキマスサツキマス産卵を終え命尽きたサツキマス


 魚類展示課 久志本 鉄平

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