その前に少しカスザメについておさらいしましょう。カスザメは北海道〜沖縄の砂泥底に生息しているエイのように平たい体をしたサメの仲間で、成長すると150cmを超えるといわれています。普段は海底の砂の中に目だけ出して潜んでいて、目の前に獲物が通りかかると0.2秒という驚異的な速さで飲み込んでしまう海底のハンターです。そんなハンターも産まれた直後は約20cmととても小さく神経質な面もあるので、最初はなかなか餌を食べてくれませんでした。
そんなカスザメですが、活き餌から慣れさせていき冷凍のエビやキビナゴも食べるようになり、順調にスクスクと育っていきました、とここまでが前回のお話です。あれから三姉妹がどうなったかというと…。相変わらずの食べっぷりで毎月の身体測定が楽しみになるくらい、どんどん大きくなりました。そうなってくると餌をやるのも一段と楽しくなり「早く立派なカスザメになるんだよ。」とついつい餌をやるピンセットも進みます。
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ポチャンッ!…パクッ!!「よしよし。美味いか?」
ポチャンッ!…パクッ!!「今日も絶好調!次でラストだ。」
ポチャンッ!…パクッ!!「OK!エクセレント!終了。」
ジー…。
「もう終わりなの?」聞こえるはずのないカスザメの声がどこからか聞こえてきます。
「しょうがないなぁ。本当にラストだぞ。」ポチャンッ!…パクッ!!
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そんな日々一年くらい続いたでしょうか、あることに気付きました。「ヤバい!飼育スペースがなくなってきている。」三姉妹はセレブ並みの食生活のおかげで一年の間に約2倍にも成長していたのです。水槽の幅は90cm、その中に約40cmのサメが3匹。遊泳力の強いサメと違って大半を砂の中で過ごしているカスザメとはいえ、これは狭すぎる。早急に何とかしないといけないと思い、急遽、展示水槽の空きスペースに1匹を引っ越しさせました。引っ越し先は約2m四方の大豪邸です。これで一安心。
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それから2ヵ月が過ぎ、毎月恒例の身体測定の日がやってきました。「まずは全長をと…ん!?あれ、おかしいな。」念のためもう一度測ってみたところ我が目を疑いました…毎月平均3cm〜5cmくらいしか大きくなっていなかったのに、引っ越した個体だけなんと10cm以上も大きくなっていたのです。餌の量は2ヵ月前と変わっていません。そう、広い大豪邸に引っ越したことでノビノビと成長することが出来たのです。生きものは飼育スペースによって、成長速度が変わったり、成長が制限されることがありますが、まさかここまで顕著に現れるとは思いませんでした。生きものには本当に驚かされます。
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| 現在は1匹が怪我の悪化により死亡してしまい、2匹になってしまったカスザメ姉妹ですが、最近ではシシャモもひと飲みにするようになり、最初約100gだった体重も1kgを超え、まだまだのび盛りといった感じです。そして新たな悩みがまた1つ…。大豪邸で飼育している個体なのですが、約2m四方一面砂の中に隠れてしまっては、なかなか見つけだすことが出来ないのです。餌の時には聞こえるはずの声がこの時ばかりは聞こえてきません。いつの日か「こっちだよ…」と聞こえてくればと思う日々です。 |