みなさん、ベタってご存知ですか?名前を聞いたことの無い方でも、ペットショップなどで小さな容器にいれられて販売されている姿を見たことがある方も多いのではないでしょうか?今回は知っているようで知らない「ベタ」について紹介したいと思います。
ベタは、メコン川流域に生息する淡水魚で、名前は属名の Betta に由来します。古くから観賞魚として世界中で広く親しまれている魚です。普段ペットショップなどに売られている大きなヒレの色鮮やかなベタはすべてオスです。メスは、オスのような大きなヒレをもたず体色もややくすんでいるので、すぐに見分けがつきます
ベタは別名「トウギョ」(闘魚)と呼ばれています。意味はその漢字が表す通り、闘う魚ということです。大きなヒレの美しいベタをみていると、なんとも不釣り合いな名前のような気がします。どうせなら麗魚とか華魚とかのほうが合っていそうな気がしませんか?では、どうしてこんな名前がついたかというと、ベタのオスがとってもけんかっぱやいからなのです。オスは他のオスの姿を見ると、闘争本能むき出しになり、えらぶやヒレも目一杯広げて威嚇します。ちょうど犬同士で「ガルルルルー」って前傾姿勢で威嚇しあうでしょ?イメージでいうとそんな感じ。それは、水槽越しに相手の姿が見えただけでもガルルルだし、鏡越しに映った自分の姿にもガルルルって威嚇します。そして、もし同じ水槽に他のオスがいたら威嚇だけではおさまらず、激しいケンカへと発展します。時には、片方が命を落とすこともあるんですよ。
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ベタだって、ただケンカをしている訳ではありません。ベタが命をかけて守りたいのは自分のなわばり。エサを食べ、巣を作って自分の子孫を残すための「なわばり」は彼らにとってとっても大切なものなのです。ベタの多くは、沼地や湿地のような浅く小さい止水をすみかとしています。そんな所では、少し雨が降らなかった日が続いただけで干上がってしまうかもしれません。魚類として決して好条件とはいえない環境の中、安心して子孫を残しすみかとなるなわばりをいかに維持していくかが、オスとして大変重要なことなのでしょう。
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| そんな荒くれ者のベタのオスですが、とかく自分の子孫を残すということに関しては優しい一面を表します。繁殖期を迎えたオスは、口を水面からだして空気を吸い込み、小さな泡状にして吐き出すという行動を始めます。この泡をかためて泡の巣を作るのです。 |
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そして、お目当てのメスをみつけると泡巣の近くで放精放卵します。繁殖を終えるとメスはその場から去りますが、オスはちらばった卵を口にくわえて泡に付着させ、卵の保護を始めます。この後も、オスは赤ちゃんたちが卵からふ化し泳ぎだすまでの約5日間、巣の修理をしたり、途中で巣からおちてきた卵を巣に戻したりなど献身的な保護をするのです。
美しいだけじゃない、強いだけじゃない、男は優しくなきゃってどこかで聞いたようなセリフですが、ベタの世界ではそんなオスこそがもてるのです。なんだが人間世界にも通じるような気がしませんか?そんなベタのオスを、春の特別企画展「水の中の恋愛もよう」にて展示しています。今回展示しているベタたちは繁殖モード全開で、メスの姿が見えなくとも水槽の中で泡巣を作り、いつメスが現れてもいいように準備に余念がありません。ベタをご覧になるときには、魚だけでなくその水面もじっくりと見てみてくださいね。
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