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第111回 「水の中に春を感じる〜
シロウオ漁とコウイカ漁に行ってきました!〜」

 みなさんは春を感じる時はどのような時ですか?花が咲いた時やぽかぽかしてきた時などいろいろあると思いますが、私の場合はなんといってもシロウオ漁とコウイカ漁がはじまると春を感じます。これらの漁は生き物の特性を利用した漁法で、2月から5月にかけて行われます。

川に遡上してきたときが捕るチャンス!〜シロウオ編〜
 下関の北部を流れる粟野川では、毎年春になるとシロウオ漁が行われます。シロウオはハゼ科の魚で、産卵は川で行いますが、うまれた稚魚は川を下って海で生活し、翌年の春になると川を遡上し産卵します。シロウオ漁はこの遡上途中のシロウオを、仕掛けておいた網に誘い込んで捕まえるのですが、使われる網は四つ手網や四角い格子状の網で、漁師さんはジーと水面を見ながらシロウオが網に入ってくるのを待ちます。透明の美しい体は目をこらさないと、どこを泳いでいるのかわかりません。沢山つかまえるのは気の遠くなる作業なのですよ。

産卵場所を提供しますそのかわりかごに入ってね〜コウイカ編〜
 下関市安岡地区は古くからコウイカ漁が盛んな地域です。安岡地区のコウイカ漁は「イカかご」という漁具を使用します。一般的なかご漁は餌を入れておいて、生き物を誘い込むのですが、イカかごには餌を入れません。そのかわりにツゲの枝を束にした「しば」をかごに取り付けています。実はこの「しば」にコウイカが、卵を産みつけにやってきて、かごの中に入ってしまうのです。コウイカがかごに集まってくるのは、エサを食べるためでも隠れるためでもなく、卵を産む繁殖のためなのです。なんとも不思議な漁です。
シロウオ写真

コウイカ写真

格子状の網 写真

イカかご

しばにうみつけられた卵

漁が終わったその後〜1年の寿命を終えるとき〜
 
シロウオとコウイカはともに春が繁殖期です。繁殖を終えた後、彼等を待っているのは「死」です。1年という短い寿命を終え、かわりに新しいたくさんの命がうまれます。春といえば出会いと別れの季節です。水の中にも春の訪れとともにはかないドラマが繰り返されているのですよ。


 魚類展示課 落合 晋作

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