| そして、見回りが終わって、再びタカアシガニの水槽の前に来た時(7時25分頃)です。タカアシガニの甲の後縁が裂け、赤い肉の塊が盛り上がっていました。脱皮が始まっていたのです!最初はその盛り上がったものが、体のどの部分に当るのかわかりませんでした。 |
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でも、しばらく見ているとその肉の盛り上がりが大きくなり、そこが甲の後縁であり、第4歩脚の付け根であることがわかりました。そして、しばらくすると甲の大部分が姿を現し、全ての歩脚が確認できる状態になりました。この状態になるまでに要した時間は、15分程度で、比較的スムーズに脱皮は進行しているように見えました。ですから、あと20分もすれば、脱皮は完了するだろうと、勝手な予想を立ててそのあとも見続けていました。ところが、ここからがタカアシガニにとっての正念場でした。
5分経っても、脚が元の体に突き刺さった状態のまま、ほとんど脱皮は進行していません。他の作業でその場を離れ、予想脱皮完了時刻(私の勝手な予想ですが…)の8時に水槽前に戻ってきても、状況は変わっていません。「もしかしたら、何かトラブルが起きたのかな」と心配になりましたが、手助けの仕方もわからず、その後もただただ見守っていました。
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ところが、脱皮開始から1時間が経とうかとした時です。それまで、遅々として進んでいなかった脱皮が、突然堰をきったように進行し始めました。どんどん、どんどん新しい脚が出てくるのです。そして、脱皮開始から1時間10分経った8時40分に脱皮はついに完了しました。古い殻を脱ぎさった新しい体は、元の体の約1.5倍もの大きさになっていました。
その後、脱皮したタカアシガニは、新しい体が硬くなるのを待っていたのでしょう。まるで彫像のように同じ体勢で、まる2日じっとしていました。
脱皮完了後の脱皮殻を見た時に、タカアシガニが古い体から脚を抜き出すのに、時間を要した理由がわかりました。右の第1歩脚が残っていたのです。多分、この脚を失うのが惜しかったのでしょう。どうにかしようとして、試行錯誤しているうちに長い時間が経過していったのではないかと私は感じました。そして、その脱皮殻にはもう1つ興味深いものが残っていました。エラがあったのです。なんと、タカアシガニは体を支える外骨格だけでなく、内臓の一部とも言えるエラまで脱皮していたのでした。
以上が、私の衝撃の1日、初体験です。
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