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第106回 最近お騒がせしています 〜ナルトビエイ編〜

 みなさんナルトビエイというエイを知っていますか?エイといえばダイバーに人気があるマンタ(オニイトマキエイ)や、映画にでてきたエイ先生(マダラトビエイ)を想像する人が多いかも知れませんね。また、アカエイやカスベ(ガンギエイの仲間の総称)は食材としても利用されているので、おいしいイメージをもつ人も多いかもしれません。このように一度は見てみたい憧れや、食べておいしいイメージがあればいうことはないのですが…残念ながら今回紹介するナルトビエイはほとんど良いイメージを持たれていません。むしろ厄介者扱いされているのです。それはなぜなのでしょうか?



アサリを食べる厄介者
 ナルトビエイが厄介者の理由は、アサリやタイラギなどの二枚貝をたくさん食べているからです。有明海や瀬戸内海の一部の地域では、二枚貝を養殖している地域があり、そこで大切に育てた二枚貝が一晩にして食べ尽くされたこともあるそうです。漁師さんはもとより、貝が大好きな日本人には迷惑な話です。
なぜ増えたの?ナルトビエイ
 貝が食べられる被害が出てきたのは、つい最近の話です。それまでは有明海や瀬戸内海でもナルトビエイの目撃情報はほとんどありませんでした。今まで見ることができなかったナルトビエイはどこからやってきたのか?推測では本来は暖かい海にすんでいたはずが、地球の温暖化によって生息域を拡げてきたと考えられています。また、エイの天敵となる大型サメ類の減少もナルトビエイが増加した一因とも考えられています。
迷惑だから駆除しかないの?
 大量に生息が確認されている有明海や瀬戸内海の一部では、ナルトビエイの駆除作業が行われています。何百匹というエイが駆除されているのですが、このまま駆除のみの対策でいいのでしょうか?エイ自身は本来の生活をしているだけなのに、人間が原因で数が増えて、人間の都合で駆除されていき、気付いたときには人の手によって絶滅の危機に追い込んでしまうかもしれません。
 現在、ナルトビエイの研究が行われており、様々な生態について解明されつつあります。今は駆除するしか対策はないかもしれませんが、近い将来ナルトビエイと共存できる環境ができるといいですね。
 トビエイの仲間は、とっても優雅な泳ぎ方をしていて水族館でも人気のある魚です。ところが、ナルトビエイは長期飼育が難しいため、海響館では展示に向けて試験飼育を重ねています。長期飼育が可能になり次第展示したいと考えていますので、水族館で見られる日を楽しみにお待ち下さい。

 魚類展示課 落合 晋作

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