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第101回 共生と寄生


 みなさん「共生」もしくは「寄生」という言葉を聞いたことありますか?ではその違いはどうでしょう?分かっているようであやふやではないですか?今回はこの共生と寄生についてお話します。

 共生という言葉を調べてみると「異なる生物種同士が、互いに依存しあっている相互関係」などと、なんだか難しい言葉が並んでいました。では実際に海響館の水槽での共生の例を見てみましょう。
 はじめに、堅い骨格を持つサンゴ、『ミドリイシ』を見てみましょう。ミドリイシをはじめとする多くのイシサンゴの仲間は組織内に褐虫藻(かっちゅうそう)という共生藻を持っています。
スギミドリイシ
 褐虫藻はミドリイシの組織内をすみかとし、ミドリイシが成長するに従って分裂をくり返してその数を増やしていきます。そして組織内でミドリイシが老廃物として出した二酸化炭素を利用して光合成を行い、サンゴに有機物を渡しているのです。しかもその有機物はサンゴが餌として必要とする量の90%にもなるといわれています。ミドリイシも褐虫藻もお互いになくてはならないパ−トナ−なのです。このように互いに利益を得る共生関係を『相利(そうり)共生』といいます。
 水族館でなくとも共生といえばクマノミとイソギンチャクを思い描く人が多いと思います。ですがこの共生は、お互いが得をしているわけではないようです。イソギンチャクの触手は棘胞毒という毒を持っており、それを使って、小魚や動物プランクトンを捕らえます。ですがクマノミの仲間はその触手に触れていても平気です。そのためクマノミはイソギンチャクの触手の中に隠れることで、外敵から身を守っていられるのです。
カクレクマノミとイボハタゴ
 一方イソギンチャクは何をしてもらっているのかというと・・・・・・餌を運んでもらっているとか、水流を当ててもらっているなど、さまざまな意見はありますが、今のところハッキリとは分かっていません。このように片方だけが利益を得る共生関係を、『片利(へんり)共生』といいます。
 今までの話で『共生』というものがどのようなものかお分かりいただけましたか?
 それでは『寄生』について考えてみましょう。
 金魚や熱帯魚などを自宅で飼育している時に魚の体に白い点のようなものがたくさん付いていたことはありませんか?それは白点虫という寄生虫で、白点病の原因になる原生動物の仲間です。白点虫は魚の表皮層や鰓などに寄生して生活しています。白点虫に寄生された魚は呼吸が著しく困難になったり、表皮組織の炎症から二次感染をおこしたり、ひどい時には衰弱死します。 スジモヨウフグ
 では『共生(片利共生)』と『寄生』とはどこちがうのでしょうか?片方のみ利益があるのは同じですが、実は大違い!!問題はもう片方が害を受けるか、受けないかなのです。

 共生も寄生も、生き物たちが生き延びていくためにやっとたどり着いた生き方です。何気なく生きているようでも、ここには生き残りをかけた様々な工夫があるのです。

※ミドリイシの仲間、カクレクマノミ、イソギンチャクの仲間は、海響館2階サンゴと小さな生きもの水槽 にて展示しております。(平成18年6月7日現在)

 魚類展示課 園山貴之

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