イルカ・アシカ情報

第213回「イノベーティブトレーニング」

 私たちトレーナーの仕事の一つ、それは動物たちの日々のトレーニングです(健康を維持するためにとても重要なんです)。一口に「トレーニング」と言っても様々な方法があり、例えばイルカに「お腹を上に向けて浮く」という行動をトレーニングしたい時には、トレーナーがイルカの胸ビレを持って体を回すことでお腹が上になる体勢を作り上げる方法や、道具を使って体の位置を示すことで作る方法もあり、このような動物の行動を作るトレーニングの一つ一つを「シェイピング」といいます。

 様々なシェイピングの方法がある中で、動物たちが自ら考えて行動を起こしその行動を強化(行動が起こる頻度を増やすこと。ここではわかりやすく「褒める」と表現します)する方法を「Innovative Training(イノベーティブトレーニング)」といい、海響館では動物たちの自由時間にこの方法を用いることがあります。

 いつものイルカのトレーニング中、、、

 そして今から自由時間!イルカたちと遊んでいると、、、

 1頭のイルカが自ら、、、

 バシャン!!

 体を水面に打ちつけながらジャンプをしました!(このようなジャンプは野生のイルカも行うことがあります)

 この行動をすぐに褒めます。

 この行動をした時に繰り返して褒めていくことで、1つの行動を形成することができるのです。動物たちが自ら考えて行動を起こしているため、この方法でトレーニングを行うと目標の行動の完成までが早いということが多くあります。トレーナーに褒めてもらいたいイルカたちは、何をすれば褒めてもらえるのか、「これはどう?」「これならどうだっ!」といった感じで、いろいろな行動を見せてくれます。そんな彼らの能力は私たちでは計り知れません。

海獣展示課

井上 美月

2020年02月05日