あくあはーつ通信

vol.252 ハモの季節

 半夏生にはタコを、そして土用の丑の日にはウナギをと、7月には季節に由来するいろいろな食材がニュースになる。
手元のカレンダーには7月の旬魚はハモとある。ウナギやタコとともにハモにとっても気の毒なシーズンになる。「麦わらダコに祭りハモ」と言われるその祇園祭は今年も賑わった。

 子供のころ、蒸し暑い夏にはしばしばこのハモが食卓に並んだことが思い出される。昔は一般に魚の鮮度が落ちやすい夏場でも、ハモは生命力が強く新鮮だったからのようだ。また、ハモの好物はタコというから、タコにとっては半夏生の日とともに受難の季節でもある。

 

 ハモと言えば先月、世界の首脳が大阪に集まったG20サミットの夕食会でもテーブルを彩った。ハモはウナギ目ハモ科ハモ属に分類されるので、ウナギの仲間であるが、ウナギにはウロコがあり、ハモにはないのだそうだ。

 水槽にウナギが展示されたときには、子供達によくこのウロコの話題をクイズに出した。外見上、ウロコがないように見えるところがこのクイズのミソだ。

 

 報道では、和食でもてなされたとあるが、前菜は、大阪産の泉州なすと淡路島の旬のハモが入ったお椀が並んだ由。ところが、意外だったのはこのハモを敬遠する出席者が多かったらしい。 どうしてだろうか?思い当たることがある。

 

 40年以上も前になるが、是非、フグ料理を体験したいという知人(英国人)とテーブルを囲んだ時、メインのフグ刺しにはあまり興味を示されなかったことを思い出した。

 薬味のポンズや、もみじおろし等があるとはいえ、たぶん淡泊な味がその主な理由だったのではないかとか、ピリピリする薬味がフグ本来の味を邪魔したのではと当時いろいろ想像していた。ハモもフグも味があっさりしているところが似ているので、記事を目にしてさもありなんと納得。普段食べなれない食材でもてなすのはむずかしいようだ。

 

 夕食会のハモは淡路島産が提供されたようだが、山口県も防府市の天神鱧が有名だ。7月に入った今月上旬、ハモの新作料理「鱧しゃぶ令和慶祝仕立て」がニュースになっている。梅肉をハモの切り身に塗り「骨切り」した後、しゃぶしゃぶにするという。梅の香りが夏のムシムシ感を和らげてくれそうだ。

 

 山口県でハモの盛漁期(6~9月)の漁場は姫島~祝島周辺の海域を中心に捕れるらしい。また、宇部市の小学校では、宇部沖の周防灘でとれたハモが給食にだされたそうだ。海響館のすぐ近くの海域だ。

 今まで本館でハモが展示されたかどうか思い出せないが、ウナギを筆頭にアナゴ、ハモ、ウツボなどのウナギ目や、タチウオ、ドジョウなど、細長い物シリーズの比較ができれば面白い展示になるのではないだろうか。

 食べ方は、ウナギとアナゴは勿論蒲焼に、ウツボはタタキで、ドジョウは鍋に、タチウオはムニエルに、そしてハモは、ハモチリ・・と水槽観覧中に各々好みの料理方法を話題にしながら巡るのもまた楽しい。

解説ボランティア:唐櫃 山人

2019年07月23日