お魚探検隊

こんにちは 赤ちゃん

海響館には様々な水槽がありますが、多くの場合、各水槽を担当する展示スタッフを決めています。最近その担当水槽の変更があり、私は新しく「淡水フグの世界」を担当することになりました。そこで早速とてもうれしい出来事が起こったのです!それは・・・新しい命の誕生です!!今回は、海響館初!パオスバッティーの繁殖についてお話ししていきたいと思います。
2021年4月6日いつものようにエサをあげるために水槽を覗いてみると・・・水槽に設置してある筒の内側に卵がびっしり付いているのを発見しました。

 

 

実は数日前から、オスとメスが筒の中に一緒に入って寄り添っている様子を観察していました。

 

 

普段はどちらか一匹しか筒の中に入らないのでおかしいなと思っていましたが、まさか仲良く寄り添う行動が繁殖行動だったとは・・・とても素敵ですね。メスが産卵し、受精を終えるとオスが卵を守り始め、体を左右に揺らしながら胸ビレをパタパタさせ、卵がふ化するまで水流を送り続けます。

 

 

産卵した日の卵を顕微鏡で観察してみました。

 

 

卵の中央部分にある小さな丸いつぶつぶは「油球」と呼ばれており、卵がふ化して自力でエサを食べられるようになるまでの栄養を蓄えている部分です。産卵した日はまだ油球のみで体のような部分は見られず、卵は1.5mmほどの大きさしかありません。しかし産卵から1日目、2日目と経過していくにつれて発生が進んでいき、6日が経過するころには目や体の形がはっきりして卵全体の半分ほどがふ化し始めます。

 

 

ふ化直後は2mmほどの大きさで、まだ自力でエサを食べることができないため、しばらくの間は腹部に卵黄がついています。ふ化から9日が経過すると、3mmほどの大きさになり、腹部の卵黄がほとんどなくなります。自力でエサを食べることができるようになり、うっすらと体の模様も確認出来るようになります。

 

 

ふ化から22日が経過すると、4~5㎜ほどの大きさになり、ほとんど成魚と同じような模様になります。また、パオスバッティーのチャームポイントとも言える頭の上のハート模様が見えるようになります。

 

 

そしてふ化してから約3ヶ月が経過した現在では…こんな姿になりました!

 

 

現在は3cmほどで成魚の10分の1くらいの大きさですが、毎日沢山エサを食べてすくすく成長しています。海響館生まれのパオスバッティーが9月25日展示デビューしました!
今回はパオスバッティーの繁殖についてお話しましたが、生き物の繁殖行動はその種類によって大きく異なります。海響館では日中に繁殖行動をしている生き物もたくさんいるので、来館された際には是非小さな行動にも注目して生き物を観察してみてくださいね!

 

魚類展示課 宮澤萌

2021年10月24日